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| アロマテラピーに必要な精油を抽出する芳香植物や薬効植物(ハー |
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| ブ)は、原始の時代から人々の生活に役立てていた事が解っていま |
| す。食物として食べたり、体に塗ってみたり、燃やしたりといった使 |
| 用法で、それぞれの植物の特性は、日々生活していく中で発見され、 |
| 種族の中で代々伝えられていったと思われます。エジプト、メソポタ |
| ミア、インド、中国などの古代文明が栄えた頃になると、その使用法 |
| はさらに向上し、医療としてはもちろんですが、宗教儀式や身を飾る |
| ため、香りを楽しむといったことまで行われています。丸剤、粉薬、 |
| 座薬、軟膏などや動植物の油に香りをうつした香油なども作り出さ |
| れ、盛んに輸出入されました。「アロマテラピー」という言葉や、現 |
| 在のようなかたちが整えられ普及しはじめたのは、1900年代に |
| 入ってからのことです。今回は、人類の長い歴史に寄り添うように存 |
| 在する、これらの植物達にまつわるエピソードをご紹介します。 |
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| ネロリ |
| ネロリという名は、イタリアのネロラ公国のアンナ・マリア妃が香水として愛用したことから |
| 付いたと言われます。ビクトリア朝時代には、きつく締め上げたコルセットで気分を悪くしたレ |
| ディーたちの気付け薬として用いられました。フランスのアンリ二世に輿入れしたフィレンツェの |
| カトリーヌ・ド・メディシスもネロリの愛好者だったそうです。 |
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| ミント |
| ミント類の学名につくMenthaの由来は、ギリシャ神話の世界の神ハーデースがニンフの少女メ |
| ンターに熱を上げ、それに嫉妬した妃がメンターを地面にふみにじってしまいました。それをあわ |
| れんだハーデースがメンターをハーブに変身させたのことからです。 |
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| バイオレット |
| リー・アントワネットもお気に入りだったバイオレットは、ナポレオン皇帝の妃ジョゼ |
| フィーヌにも愛用され、ジョゼフィーヌが亡くなった時そのお墓にはバイオレットが植えられまし |
| た。また、ジョゼフィーヌを溺愛していたナポレオンは、バイオレットの花を入れた金のロケット |
| を常に首にさげていたり、自分の党のしるしにしていました。 |
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| マートル |
| ギリシャ神話の中に、テーセウスの妻パイドラーがマートルの木陰で継子ヒッポリュトスに対 |
| して恋に落ちてしまったという話から、愛の水薬の成分として使われました。マートルは美の女神 |
| アフロディーテと結びつけられていて、美容方面で効果のある精油です。 |
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| ミルラ(没薬) |
| 古代の世界でひろく使用されたですが、生まれたばかりのイエスへ乳香とともにささげられた |
| り、十字架につけられたイエスにもこれをワインに混ぜたものが手渡されました。旧約聖書の中の |
| シバの女王とソロモン王の愛し合う場面でもこの香りが漂っていたことが記されています。 |
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| ラベンダー |
| 「アロマテラピー」という言葉を生み出した化学者のガットフォセが、実験中にひどい火傷を |
| 負い、すぐにその手を薄めていないラベンダーの精油に浸すと、痛みがひき、跡形もなく治ったと |
| いう話は有名です。ラベンダー水は、イギリスのチャールズ一世のマリア・ヘンリエッタ妃のお気 |
| に入りの香水でした。ラベンダーを肌着の入ったタンスに入れることは、何百年も続く虫よけの方 |
| 法です。 |
| 中世のヨーロッパで大量の死者を出したペストなどの疫病が流行した際に、精油を使って革をな |
| めす職人達や薬草園やラベンダー畑で働いていた人々はその難を逃れました。 |
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| ローズマリー |
| 14世紀のハンガリーの女王エリザベートは、ローズマリーを用いた化粧水で若返り、70歳 |
| にして隣国の王からプロポーズを受けたとされています(本当は持病の痛風を治すことが目的だっ |
| たらしいが)。そのローズマリーといくつかの精油をブレンドしたレシピは、「ハンガリアン・ |
| ウォーター」として今でも伝えられています。 |
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| シナモン |
| フェニックス(不死鳥)は、シナモンと没薬、甘松香の燃える魔法の火で焼け死んでから、再 |
| びよみがえったとされています。ローマ人は「愛の水薬」にシナモンを用いました。 |
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| ローズ |
| この香りは昔も今も世界中の人々に愛されてきました。古代ローマ帝国では皇帝の宮殿の泉か |
| らばら水が流れだし、宴の席では床に大量のバラの花びらがまかれました。クッションの中身まで |
| ばらの花びらをつめ、公衆浴場やお酒までバラの香りでみたされていたようです。 |
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| シダーウッド |
| 古代エジプト人はミイラを作るときにシダーウッドを大量に用いました。他にサンダルッドや |
| ガルバナムなどや、特上のミイラ作りにはミルラ(没薬)が使われました。 |
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| サイプレス |
| 冥界の神プルトーンは、かたわらにサイプレスの木のある神殿に住んでいたという神話と、十 |
| 字架はこの木から作られた言う説もあって、死と結びつけて考えられていました。古代エジプト人 |
| はこの木で棺を作りました。 |
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| クローブ |
| 古代文明人たちは、歯痛をおさめるためにクローブを噛みました。中世のヨーロッパでは、ク |
| ローブをいっぱいさし込んだオレンジを虫や疫病よけに持ち歩きました。疫病で死んだ人の身につ |
| けていたものをはぎ取っていた盗賊団はクローブの他せーじ、マージョラム、ローズマリー、セー |
| ジ、カンファー、ジュニパーなどを使ったビネガー(すべて抗菌作用がある)を愛用していたため |
| 疫病にかかることはありませんでした。 |
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| ジャスミン |
| この香りは女性が男性を誘惑する時には欠かせない香りでした。クレオパトラがアントニウス |
| に会うために乗った船の帆には、ジャスミンをふくめ官能的な香りを放っていたようです。インド |
| ではジャスミンとともにサンダルウッドやイランイランもこのような目的に用いられました。 |
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| クラリセージ |
| 1500年代のイギリスで、クラリセージの強力なリラックスと気分よくする効果を利用し |
| て、ホップのかわりにクラリセージを使って醸造したビールが出回り、人々を悪酔いさせました。 |
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| カルダモン |
| 古代ギリシャ人やアラブ人は口臭を防いだり消化を助けるために、カルダモンをもちいました |
| が、エジプト人は歯を白くするために、この種を噛みました。 |
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| ガーリック |
| 吸血鬼が嫌いなものとして有名ですが、魔術から身を守ってくれるとして用いました。北欧の |
| 伝説に登場するわるい妖精の力を封じこめるものとしてもガーリックが登場します。 |
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| 参考文献 |
| 「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 高山林太郎訳 フレグランスジャーナル社 |
| 「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 高山林太郎訳 フレグランスジャーナル社 |
| 「愛のアロマテラピー」マギー・ティスランド著 高山林太郎訳 フレグランスジャーナル社 |
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