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| 優しく、心和ませる美しいバラ。 バラのミニ知識 誰もが知っている花の名前と言えば「バラ」がまず1番にあがるでしょう。バラは「花の女王」と呼ばれ、その華やかで気品のある姿形や香りは、他の花々の追随を許さない威厳が感じられます。美しいバラは花屋の奥にあるガラスケースの中でまさに「女王さま」のごとく鎮座しています。香料の世界でも、ジャスミンは「香りの王様」バラは「香りの女王」と呼ばれ、ほとんどの香水にバラの香りが使われてると言っても過言ではないでしょう。 これほどまでに人々を魅了し尊敬の念をあつめるバラの魅力と、私達に美と健康をあたえてくれる秘めたるパワーをご紹介しましょう。 |
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1.バラのはじまり 2.美女とバラ 3.バラの下で(sub rosa) 4.皇帝ネロのバラ三昧 5.キリスト教とバラ 6.バラ戦争 7.バラの栽培の歴史 8.バラとアロマテラピー 9.ローズオットーの語源 10.バラ水 11.香料のためのバラ 12.ブルガリアンローズ 13.バラの収穫と蒸留 14.バラ祭 15.バラと香水 16.バラの花言葉 |
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| 1.バラのはじまり バラはいつ頃から咲いていたのでしょうか。約3000万年前の化石の中からバラと思われる葉の形が確認されたと言いますから、それ以前にはすでに野生のバラが咲いていたようです。きっと人類の歴史をゆうに上回るかもしれません。 ヒマラヤあたりが生まれ故郷ではないかと推測されていますが、確かな根拠が見つかっていません。 紀元前3000年頃の中央アジアや地中海沿岸では、壁画や工芸品などにバラが描かれています。人の歴史で言えば文明発祥の頃にあたります。しかし、人はすでにバラの存在を知っていたようです。膨大な資料をもとに書かれた原始時代の小説「大地の子エイラ」(ジーン・アウル著)を読むと、この頃の人々が植物を賛美したり、薬用や生活用品として役立てていたようすをうかがい知ることができますから、バラもそのように使われていたと思われます。 2.美女とバラ バラは古代より珍重され「愛」「美」「官能」の象徴でした。ボッティチェリの有名な絵画「ヴィーナスの誕生」にもブルガリアンローズの親にあたる品種のバラが描かれていますが、ヴィーナスは海の泡から誕生し、同時にバラの花も生まれてきたと言う神話があるからです。このようにローマ神話のヴィーナス・ギリシャ神話のアフロディテ・エジプトのイシス・バビロニアのイシュタル…様々な文明で崇められた愛と美を象徴する女神に捧げられてきました。また権力をもつ歴史上の美女達も熱狂的なバラびいきです。エジプトの女王クレオパトラがアントニウスに会見した時、クレオパトラの部屋には何十センチもの厚さでバラの花が敷き詰められたと言われています。 3.バラの下で(sub rosa) バラには「秘密」「暗黙」の意味もあります。「自分が射った矢が原因で、母親であるヴィーナスと恋人アドニスとの密会を知ったキューピットが、沈黙の神ハルポクラテスにその秘密がもれないよう願い、そのお礼に送ったのがバラだった」と言うローマ神話からきています。それでローマ人は、バラを天井から吊るした部屋での話は秘密にすることにしました。またローマ人は教会の懺悔室にバラを飾ったりもしました。これらの風習からヨーロッパでは、バラが1輪飾ってあったり描かれている部屋でのことは秘密にすることになり、今でもイギリス議会で行われてるそうです。 4.皇帝ネロのバラ三昧 古代ローマ人のバラ好きは有名で、中でも皇帝ネロのバラ三昧はよく引き合いに出されます。宴の前にバラのお風呂にはいってからバラの香油を塗り、神殿にはバラ飾り・バラ水の噴水・花びらを浮かべた池での舟遊び、バラの冠・バラのお酒・バラの料理にバラのデザート、これがバラの花びらが天井から舞い散る中で行われるのです。 床に降りつもったバラの花びらで窒息死した者がいると言う逸話まで残っています。しかしそれほど大量なバラが1年中咲いているわけがありませんから、皇帝ネロはその度に世界中の産地からバラを集めさせたと言うから、当時のローマ帝国の権力と財力には驚かせられます。 5.キリスト教とバラ ローマ帝国が衰退し、バラも姿をひそめます。禁欲的な教えを説くキリスト教の指導者は、イスラム教や古代ローマ人の不道徳な行為と悪行のシンボルであったバラを遠ざけます。そんなこともあり、バラの栽培は一時衰退します。しかしバラの持つ力が人の心を開いたのでしょうか、いつしか白バラは聖母マリアの「母性」「愛」「純潔・貞節」を、赤バラはキリストの血にみたて「殉教」などを象徴する花となりました。 バラの薬用効果が捨てがたいものだったとも推測されます。そしてイタリアのルネッサンス期(14~16世紀)には、バラは再び以前のように脚光をあびるようになります。その証拠がボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」などの絵画です。 6.バラ戦争 15世紀のイギリスで30年間も続いた権力争い。敵対するランカスター家の紋章が赤バラで、ヨーク家の紋章が白バラだったことから「バラ戦争」と呼ばれました。結局ランカスター家の流れをくむ、ヘンリ-7世がイギリス国王として即位。ヨーク家のエリザベス(エリザベス1世とは違う人物)と結婚して、戦いを和解・終結させました。これがチューダー王朝の始まりで、長年の戦いによって貴族は共倒れとなり、エリザベス1世へと続く絶対王制への道が開けた。この時に誕生したイギリス王室の紋章が、白バラの中に赤バラを重ねた「チュードル・ローズ」と呼ばれるもので、現在でも使われています。 7.バラの栽培の歴史 バラと言うとヨーロッパのイメージがありますが、バラの栽培の歴史は紀元前のアジア(中国と言う説があります)から始まります。そしてアレクサンダー大王の遠征により中央アジアにもたらされ、香料や薬用植物として盛んに栽培されます。その後ギリシア・ローマを経て、サラセン帝国の繁栄(7世紀)と十字軍の遠征(11~13世紀)によってヨーロッパに伝わりました。ヨーロッパの場合まず香油などのバラの香りが先行して伝わり、それに魅了された人々がバラを取り寄せ栽培するようになったのです。 有名な話では、ナポレオン1世の妃ジョゼフィーヌがパリ郊外の館マルメゾンにバラ園を作り、そこで世界各地からバラを収集し、品種改良を進めさせました。現在では3万種類以上あるバラですが、この当時以前に栽培されていたバラはわずか4種類で薬用や香料用のバラでした。ジョゼフィーヌは主に観賞用のバラの栽培に力をそそぎました。「オールド(クラッシック)ローズ」「ニュー(モダン)ローズ」と言う言葉を耳にしますが、ジョゼフィーヌの品種改良を境にそう呼ばれるようになりました。当時の品種改良の図譜は今でも園芸家達のバイブルとなっています。 8.バラとアロマテラピー 古代ではバラを植物や動物の油脂に浸して香油や香膏を作る製法が主に行われていました。アロマテラピーで言う「浸出油」や「マセレーション(温浸法)」と言ったところでしょうか。しかし、これはポマードのような状態ですから、現在のアロマテラピーで使うエッセンシャルオイルとは違います。ローズオイル(エッセンシャルオイル)が作られ始めたのは10世紀のペルシャで、医師アヴィセンナによって蒸留技術が完成(それまで蒸留器のようなものは造られていた)されました。そしてアヴィセンナが最初に蒸留した植物がバラです。 水を加熱し、その蒸気でバラの水分と油分をそれぞれ抽出する方法です。その水分はバラ水で、油分がエッセンス すなわち水蒸気蒸留法で抽出したローズオイル(ローズオットー)にあたります。ちなみに、「マセレーション(温浸法)」のように昔から行われたローズオイルの抽出法「アンフルラージュ(冷浸法)」は、レオナルド・ダ・ビンチが発明したと言われています。香料業界の重要な節目と言われるベンゼンや石油エーテルを使う溶剤抽出法は、近年の19世紀後半に発明されました。これによって得られるローズオイルは「ローズアブソリュート」と呼ばれます。 9.ローズオットーの語源 アヴィセンナが蒸留器を完成させる前の話になりますが、バラ栽培の中心地であったペルシャの皇帝とヌール・ジハン姫の婚儀の際には、皇帝の部屋を取りかこむ庭園の池や水路すべてにバラ水で満たされました。婚儀の後、ヌール・ジハン姫が皇帝と庭園を散歩してた時、その水に濃厚な甘い香りを放つものが浮かんでいることに気がつきます。バラ水が太陽熱に温められて、蒸留する時のような状態になったからです。姫はこれを集めさせ「アター」と名付けます。「アター」は皇帝の名にちなんで付けられたと言われますが、実際古いアラブの言葉で「アタール」「アタラ」は「香り」「芳香」を意味する言葉です。これが水蒸気蒸留法で抽出されたローズオイル「ローズオットー」の語源と言われています。 10.バラ水 クレオパトラや皇帝ネロなどが愛好したバラ水ですが、こちらも古代から作られていました。方法は水にバラの花びらを大量に入れ、沸騰させ(熱を加えない方法もあります)、密封して冷まし、最後に花びらを濾すのです。この方法ならば今でも自分で作れそうですが、残念ながら日本では大量の香料バラを入手することが困難です。また市販されているバラ水は合成して作ったものが多く売られています。本物のバラ水は、少し青々しさの残る、いかにも植物から抽出された香りがします。香料バラの生産高を誇る中近東の国々では、お客の歓迎する時や浄めの水にバラ水が使われたり、飲み物・料理・お菓子などにバラ水がたっぷりと使われています。 11.香料のためのバラ 現在家庭の庭や花屋で見かけるバラは先にお話した「ニュー(モダン)ローズ」がほとんどで、見た目はとても美しいのですが香りは弱いようです。それは香りが弱い品種の方が花の持ちがよいので切り花向けに栽培されるからです。一方古代から栽培されていた香料用のバラは「オールド(クラッシック)ローズ」の中の4種類で、この中の2種類が現在でも商業ベースで栽培されるダマスクスローズ(ローザダマッセナ)とキャベシローズ(ローザセンティフォリア)です。 香りはどちらも芳醇な果実のように濃厚で甘い香りです。ダマスクスローズは、主にブルガリアやトルコで栽培され、主に水蒸気蒸留法で得る「ローズオットー」に使われます。そしてキャベシローズは(およそ100枚ほどある花びらから名が付いた)、南仏のグラース地方やモロッコで栽培され、主に溶剤抽出法で得る「ローズアブソリュート」に使われます。これらは「ブルガリアンローズ」や「ターキッシュローズ(ローズトルコ)」と呼び、それぞれの産地をアピールしています。また、南仏グラース地方のバラを「ローズ・ド・メ(5月のバラ)」と呼びます。香料業界は最新の技術を用いて、他のバラの種類からも香料を抽出します。 12.ブルガリアンローズ 現在ローズオイル(ローズオットー)の生産高が最も高い国はトルコです。しかしブルガリア産のものが高品質と言われ、アロマテラピーや香料業界でも高額で扱われます。ブルガリアはバルカン半島の南東部に位置し、そのバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれた地方を「バラの谷」と呼んでいます。「バラの谷」で栽培されているバラはダマスクスローズで、オスマントルコ帝国が侵略して来た時にもたらされたと言われています。「バラの谷」の気候・土壌・水共がダマスクスローズに適したようで、今では世界有数のバラの香料輸出国になっています。 13.バラの収穫と蒸留 ブルガリアでは5月下旬から6月上旬にかけて収穫期を迎えます。この時期は「バラの谷」のすべてと言っても過言ではない程の人がかり出され、朝5時から10時位の間に花摘みをします。それを過ぎてしまうとバラの香気成分が30%まで下がってしまうのです。そのためローズオイル(ローズオットー)の蒸留もすぐに行われます。子供達もこの時期は「花摘み休み」になり、花摘みをします。バラの花約3トンで1kgのローズオイルが抽出出来ると言われています。この量はトルコのバラに比べ効率がよく、このことからもブルガリアのバラは香気成分が豊富に含まれていることが判ります。 14.バラ祭 毎年6月の第一日曜日には、皆が待ちに待った「バラ祭」が行われます。特にカザンラックの祭りは民族色がよく出ていて、取材陣や観光客も多く集まります。色鮮やかな民族衣装を来た人々が、バラ摘みの歌を披露したり、輪になって踊ったりします。祭りの会場にはバラの花が飾られ、花びらやバラ水をまき散らし、バラのお酒、バラのケーキ、バラのジャム...まさにバラづくしの1日を楽しみます。この日ばかりでなくバラの生産地の人々は料理、日用品、薬としてバラを利用する習慣があり、それが健康の秘訣にもなっています。 15.バラと香水 バラの香りは嗜好性の高く、他の香りと馴染みやすいと言われています。女性用ではほぼ100%に、男性用では約50%の香水に、バラの香料が使われています。アロマテラピーでは、ローズアブソリュートの抽出時の溶剤の残留を懸念したり、神秘的なエネルギーがローズオットーに比べ劣ると言う理由から、肌への使用を避ける人も多いのです。 しかし香料業界では、香水向きの成分が多く抽出出来るローズアブソリュートを好むようです。それでも香りに深みをつけたい時は、ローズオットーとブレンドして使います。しかし、このような天然の香料をブレンドする香水は大変高価になりますので、価格の安い香水や化粧品の香りつけには、バラの香りを化学合成した香料を使います。 16.バラの花言葉 バラの花言葉は「愛」に関することが多いです。フランス人は花言葉をとてもよく覚えているので、花をプレゼントする時は事前にチェックした方がいいでしょう。つぼみ「恋の告白」、一重咲き「淡泊」、満開の花一輪「秘密」、トゲのないのは「初恋」。赤は「愛情・情熱・内に秘めた愛」あいピンクは「温かい心・一時の感銘」、赤白班入は「満足・戦い」、黄色は「薄らいだ愛・やきもち・嫉妬・誠意のなさ」、白は「純潔・尊敬・私はあなたにふさわしい」。 |
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