漢方医列伝
「漢方医列伝」

神農

 -伝説の漢方医学の始祖-

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 伝説の人物。「三皇」のひとり。
神農は農業と医学の創始者と伝えられていて、古代の書
物には彼が医薬を始めて行ったというような記載があり
ます。「淮南子」修務訓に「神農は百種類もの草の効用
や味、川や泉の水を味見して、避けるべきものと役に立
つものとを人々に分かるようにしたが、一日のうちに七
十もの毒に当たった。」とあり、神農の毒味と医薬の始
まりについての伝説は、これが源となっています。
 ちょうど皆さんが飼っている犬や猫が下痢したりする
と、いつもは見向きもしない庭の草を食べることがある
でしょう。あれと同じことのくりかえしから私達の祖先
も薬を発見していったのです。そして、今から約二千年
前、漢の時代に「神農本草経」(しんのうほんぞうきょ
う)という神農の名を冠した薬物書が成立しました。こ
れには植物を中心に動物・鉱物も加えて、約360種の薬
が記載されています。どうして360種が取り上げられた
かは考えてみて下さい。(ついでに皆さんハリや灸で御
存知の「ツボ」の数も約360です。
 そして、360種の薬は、病気のときだけでなく健康増
進に役立つため、常用してよい上品120種、とても薬理
作用の強い薬だから、病気の重いときだけしか服用して
はいけない下品120種、そして その中間の中品120
種、の三つに分類されています。こうした分類は、同時
代に成立している西洋のギリシャの薬物書などと比較す
ると、際だって優れた特徴であり、薬の利用の仕方が実
に巧みです。漢方医学の始祖である「神農たち」は、文
字通り薬を自家薬籠中のものにしていたようです。
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