| ●体の余熱をとる | |
| 筍(竹の子)の季節。薬草園のお隣の千代子さんの竹林で、筍掘りをさせて頂 | |
| き、毎春おいしい経験をしています。冬の間に、この竹林の落葉を集めさせて頂 | |
| き、薬草園の堆肥の大事な原料のひとつにもなっています。 | |
| 竹の種類も多く、古来日本にも野生していたそうですが、筍で一番有名な孟宗 | |
| 竹は、江戸時代に、沖縄(琉球)地方に大陸から移したもので、それが薩摩藩経 | |
| 由で全国に拡がったそうです。南方系のものですから関東以北にはありません。 | |
![]() 写真提供(株)ツムラ |
竹類は大きく竹と笹に分かれます。葉が堅く |
| 茶色にまきついたままになり、むけにくいのが | |
| 笹だと聞いたことがあります。一般には「さ | |
| さ」は小さいという意味で、竹の背の低いもの | |
| の総称。ささは酒のこともいうので、大名に | |
| 「ささを飲むか」と勧められた八五郎が「いく | |
| ら貧乏してても熊じゃねえからささ(笹)はく | |
| わねえー」とやる落語もあります。このように | |
| 笹は全国に自生していて、特に熊のいそうな北 | |
| 方に多く、南方中心の竹と異なります。 | |
| 竹や笹は木か草か。その中間ということに | |
| なっています。分類は、被子植物の中の単子葉 | |
| 類イネ科ということになっていますが、一日に1メートル以上も伸びることもあ | |
| る竹はイネとは似ていない。竹の子が50〜60日も伸びるともう一人前になり、 | |
| それ以上は太くならない。年輪もないし中空だし、竹を割ったような気性という | |
| ように、縦にだけ割れて横には決してわれない。堅くなるのは茎に珪酸が多く含 | |
| まれているから。一方、樹木の幹はリグリンが多く含まれている。形成層から細 | |
| 胞分裂して太くなってゆくので年輪ができる。そうゆうわけで、竹は草でもなく | |
| 木でもない特殊な性質をもっているので「木に竹を接ぐ」(いっしょにしても馴 | |
| 染まない、不似合いだ)というコトバもあるのです。 | |
| さて漢方薬ですが、ハクチ(淡竹)やマダケ(真竹、苦竹ともいう)などが使 | |
| われます。竹の葉っぱ竹葉(チクヨウ)は熱病後の衰弱した身体の余熱をとりな | |
| がらさっぱりさせる作用。竹茹(チクジョ)というのは竹の皮をはいだあとの中 | |
| 間層をうすく削りとったものを使います。基本的には竹葉と同じ作用です。竹瀝 | |
| (チクレキ)は、竹の茎を縦に割って火であぶりジワーッと両端から出てくる液 | |
| 体を集めたもの。採集するのがとても大変ですから貴重品で、これを凝固したも | |
| のを「天竺黄」といい、脳卒中やひきつけの聖薬とされていました。 | |