29.カモミール(カミツレ・菊花)—女性の緊張や傷みに最適—

古来から各国で利用

菊

ヨーロッパの古代から、薬草として栽培されていたカモミール。アロマテラピーやハーブに詳しい人は、ローマンカモミールとジャーマンカモミールなど使い分けをしているでしょう。
菊科の二年草で春から夏に2.5cmほどの、中心部は黄色の筒状花。周辺に白い舌状花がとりまく、誰が見ても一目でああ菊だとわかります。江戸時代の前半にはオランダから日本に紹介され、栽培されました。発音は、カミルレ、又はカミーユよいうべきところ、「遠西医方名物考」という本でカミッレと音訳されたため、日本名はカミツレです。英語ではカモマイル。前述のようにハーブやアロマの世界ではカモミールの方が親しい。

このものは、漢方処方に組み入れられてはいないので、漢方というわけではありませんが、食用の菊花、薬用の苦菊花、漢方処方にある施覆花(せんぷくか:ぐるりと舌状花がとりまいている形、オグルマとも)、紅花など重要な漢方薬とよく似ている一連の菊科の花ですので今回紹介します。ついでにムシヨケギク(除虫菊)も一見区別ができません。先日瀬戸内の岡山で除虫菊をいまだに栽培している業者と連絡しましたが、見学はまだしてません。

遠くギリシャ本草には「カモミールオイルはあらゆる傷みを除き、四肢の疲れを癒し、緊張しているものを弛緩させ、堅くなっているものを柔らかくする。一切の秘結を散じ、厚いものを薄くする」とあります。
西洋由来のハーブも記述は東洋の漢方とそっくりで、ニュアンスの差こそあれ施覆花や紅花の薬効と同じです。花を乾燥して煎じたり、精油をしぼって使います。

香りが高く、すっきりさせる作用がつよい為、マッサージオイル、浴剤に適しています。特に生理や出産のときの女性の緊張や傷みに最適。香りをいかして、香りランプにカモミール精油をたらしておけば子供の夜啼きによい。湿布としても傷や湿疹に多用されましたが、後、アズレンという成分が抽出され(特にジャーマンカモミールに多い)アズノール軟膏として、今でも皮膚科で湿疹によく使われます。

飲む方では上述のような慢性的な痛みなどの他に、含嗽剤として歯痛、口内炎にとてもよく効きます。欧州の人たちはカモミールを摘んできて自宅で乾燥し、香り豊かなティーとして、熱さましの風邪くすりとして常用しているといいます。香料としてもリキュールなどのお酒やシャンプーリンス液などに使われます。

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医食同源ア・ラ・カルト項目一覧
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