| ●肉、魚料理に使われるハーブ | |
| 附属薬草園で元気に育ち、何も手をかけなくても落ちた種からあちこちと発芽 | |
| する茴香が今回のお話。これは地中海原産で中国には大分後になってシルクロー | |
| ドを経て伝えられたらしく、漢方薬としてはしばしば用いられる生薬ではありま | |
| せん。現在では世界各地に野生又は栽培されて広く使われている、代表的なハー | |
| ブのひとつです。 | |
![]() 写真提供(株)ツムラ |
ギリシャ本草というヨーロッパでは最古に属す |
| る薬物書では、茴香はMARATHRON。かの有名な | |
| マラソンと記されています。戦勝報告の為にマラ | |
| ソンから首都アテネまで42.195Kmをかけぬけた | |
| 勇者にちなんでマラソンレースが行われているの | |
| は御存知の通りですが、そのマラソン付近には、 | |
| この茴香がびっしり咲き乱れていたということ | |
| で、マラソンと呼ばれたのでした。 | |
| 中国名の茴香は回香。腐りかけた魚などにこの | |
| 茴香をまぶしておくと香りが回復して食べられるようになるというところから回 | |
| 香。茴香です。英語ではフェンネル、種をよく使いますからスーパーのスパイス | |
| コーナーではフェンネルシードとしておなじみ。 春先の緑あざやかなふんわり | |
| とした柔らかい葉は、もぐとプーンとセリ科特有の芳香があり、魚・肉料理のそ | |
| えものに、スープの香りづけにと使えます。ロシアではウォッカの肴としてその | |
| まま食べるとか。 | |
| ●「安中散」が有名 | |
| 夏になると黄色い小さい花を多数枝先に複散状に咲かせます。挽夏〜初秋(今 | |
| 頃)には小さいな米粒大の果実をつけますので、やや青味が残ってるうちに茎ご | |
| と切りしばらく乾かしておきます。茶褐色になったところで揉んだり叩いたりす | |
| れば、バラバラとたくさん収穫することができます。これがフェネルシード。前 | |
| 述のように肉や魚の煮込み料理に、カレーなどの原料に欠かせないものです。カ | |
| レー専門店のレジの所にはこの茴香がよく置いてあり、帰りに口に含むと特有の | |
| 甘みでヒリヒリした口の辛みがスーッと消えます。 | |
| 漢方的には、芳香健胃剤。特に消化器系を暖める作用がつよく胃腸の働きを活 | |
| 発にします。タケダの漢方胃腸薬として有名な安中散という処方の中に配合され | |
| ています。特に腸の動きをよくしてガスを出しお腹のはりをとる駆風作用にすぐ | |
| れています。 | |
| ギリシャ時代にはシードばかりではなく、葉や根もしぼったり、煎じたりし | |
| て、目薬やヘビやイヌの咬傷にも使われていました。 | |