医食同源アラカルト

大蒜(たいさん、にんにく)
-浴剤としても効果あり-

●古事記にも登場
 ニンニク、玉ネギ、百合根、ラッキョウなどは一目瞭然同じ仲間ですよね。野
草の野ビルだって同じ。長ネギやニラは食べる部分が地上部ですけれども、ネギ
の下の白い方、ややふくらんでいる部分は、ああここを太らせれば玉ネギと同じ
だと連想できます。チューリップの葉と球根を思い出してもよい。皆ユリ科の多
年草です。
 ニンニクは古くから食用にされていたようで、古事記の
ヤマトタケルが「食べ残しの蒜を白鹿の目に打ち当てて征
伐した」という部分があります。食べ残したと書いてある
わけですから食用にしていたこと、又目にしみるような強
烈な成分を有するスパイシーな、「強い気」を持った食べ
物で霊力を備えている、と古代人が考えていたことが分か
ります。ニンニクは中央アジア原産で、紀元前にはエジプトに伝わり、玉ネギと
ともに栽培されていたようで、あのピラミッドを造った労働者たちはニンニクで
スタミナをつけていたと言われます。東方へはインド、中国(中国では西域の
「胡」から伝わったのでニンニクのことを「胡」と書きました。「胡椒」とか
「胡麻」などのスパイスも同じ胡地方から伝わったものです)を通じて日本へ伝
わりました。古書に和名は「於保比留」とあります。「おおきなヒル」ですから
ニンニクのことでしょう。
●「浴剤」としてもおすすめ
 ニンニクの主成分はアリインといい、切ると強烈な臭いのアリシンに変化しま
す。アリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、腸からよく吸収され
るので、アリナミンはこれを化学的に合成してつくったものです。西洋のギシャ
本草でも、中国の古医書でも「皮膚病、毒消し、風邪くすり、消化剤、虫下しな
どに使う」とあります。東西とも古代では、強精作用はそんなに強調されず、食
べ過ぎると害がある、と害の方を強調しているのが面白いところです。
 意外と知られていないのが「浴剤」としてのニンニクで、一片を適量のお湯で
煮て、その煮汁ごと湯ぶねに入れて下さい。肌はつやつや、よーく暖まり、ちっ
とも臭くありません。一回あたり一番安価な浴剤だと思います。冬には特におす
すめします。
 漢方的には「大蒜」といい駆虫剤として用いられますが、漢方薬の一般的な処
方に入ることはありません。



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