57.虎丈根(虎丈根・いたどり・スカンポ)—痛みが取れるから「痛取り」—

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冬場の保存山菜食にも

畑の草刈りをしているとき、周囲の土手にひときわ高く、莖は太く、大きな葉、花はタデ科らしく、あまり美しいとはいえない細かい花が円錐花序についている「スカンポ」をよく見かけます。竹のように節があって中空の莖は簡単に切れるので、切り口をちゅうちゅうと吸うと酸っぱいこと。ちょうど運動選手がスポーツドリンク出現以前にハーフタイムになるとレモンをかじっていたのといっしょです。蓚酸が含まれているためで、体がしゃきっとします。江戸時代には、根茎を甘草とともに匙じて、夏のスッキリ飲料にしたそうです。

通称スカンポは、正しくはタデ科の「たどり」。ケガをしたとき若芽をもんで傷にすりこむと、出血はとまり、痛みが取れる。だから「痛取り」というのだそうです。日本各地、朝鮮、台湾、中国など各地の日当たりのいよい土手に自生しています。ヨーロッパへは、1840年代中期にシーボルトにより,飼料植物として導入され、現在でも北アメリカやヨーロッパでは、大型の茎葉を観賞するために庭園に植えられているそうです。この大きな葉は、戦時中にはタバコの葉の代用品になったといいます。

春先に、たけのこ状に伸びる若芽を採取して皮をはぎ、塩をつけて食べる。たくさん採って小川にさらして蓚酸のアクをとり塩漬けにして冬場の保存山菜食に用いる。民間薬的には秋に根を掘り採り、よく洗って日干しにし、便秘や蕁麻疹に用いる。

中国では、若い茎の紅紫色の斑点を虎の皮の模様にたとえて虎杖といいます。したがってその薬用部分の根茎は漢方名「虎杖根(こじょうこん)」。ポリゴニン、エモディン などを含み、通経・利尿・緩下剤などに用いられ、また染色にも用い、銅媒染で茶色に発色します。関節の痛みに「桑枝虎杖湯」などが用いられ、抗菌作用があるので、火傷のあとにこの虎杖の粉末を油などで練って湿布します。

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