38.クエンヒ(枸櫞皮) 134.レモン皮(檸檬皮)—胃腸の動きを整える—

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クエン酸のクエンの由来

陳皮・橘皮の項でも書きましたが、ミカン類(柑橘類)は、リンゴ類・ブドウ類・バナナ類とともに、人類の古くからの美味しい友人ですが、同時に古くからのクスリになる友人でもあります。
陳皮・橘皮は温州ミカンの皮のことですが、それよりはやや原種に近い感じのミカンの仲間には、柚子(その仲間には徳島のスダチ、大分のカボスなど)、ダイダイ(橙)、カラタチ(唐橘)、キンカンなどがあり、食品・香辛料・漢方薬として利用されています。

今回の枸櫞皮はクエン皮と読みますが、クエン酸のクエンの由来となった柑橘類ですから、相当酸っぱい。(クエン酸を製造するのに、化学合成法が開発される以前はクエンのような柑橘類が原料にされました。)
ライムとかレモンのことを「酢みかん」と称するそうですが、上記の柚子やダイダイもそうですね。いろいろな柑橘類がクスリとして使われますが、酸っぱくて苦くてとても食用にならない品種や皮の部分などはスパイスやクスリになるし、温州みかんの果実のようにそのまま美味しいものは食品です。

中国では香櫞(コウエン)とか仏手柑(ブッシュカン)という生薬が使われますが、「レモン(の皮)」といってよいでしょう。仏手柑とは面白い名前ですが、果実の先端が5~10本の指状に分かれているので、仏の手当てのように腹痛などによく効く柑橘類という意味でしょう。漢方的には芳香性の健胃剤として胃腸の動きを整え、肺に貯留した痰を排出する働きがあります。

レモン類の原産はインドとされますが、シルクロードをたどって、地中海ヨーロッパへ、大航海時代にはビタミンの補給源として船に積まれ、新大陸に拡がってゆきました。現在では北米カリフォルニアや南米ブラジル・アルゼンチンなどが最大の生産国です。「酢みかん」はマーマレード、七味唐辛子、ゆべしなどの材料になるほか、そのクエン酸は殺菌効果がつよいので料理によく添えられ、またケーキ・ドリンク等の風味向上のための付香 (flavoring )に用いられます。とくに紅茶に欠かせないレモンはティーカップの大きさに合わせ、直径5~6cmの果実が収穫されています。

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