医食同源アラカルト

みかん、陳皮、橘皮
-水をさばくことに薬効あり-

●コタツでみかん
 みかん類(柑橘類)は、世界でもっとも古くから知られ、栽培された果実のひ
とつです。中国の古書にも、柑、橘、柚、橙、などいろいろのみかん類が記され
ていますが、現在の日本で見うけるいろんなみかん類や漢方薬が、これらの漢字
と対応しているとは限りません。
 私が子供の頃、昭和20〜30年代にかけての頃、みかんはりんごとともに庶民が
普段口にすることのできる最も安く大衆的なフルーツでした。昨今のみかんはど
れも大粒で、味はごく甘くておいしいのがあたりまえ
写真提供(株)ツムラ
ですが、当時のみかんは、まだまだ酸っぱいのが多く
て、子供心に、甘そうなのを選って食べた記憶があり
ます。お正月前には、みかんを箱買いしたもので、食
品のとぼしかった当時としてはとても豊かな感じがし
ました。甘そうなのは、大粒で皮(陳皮)がむきやす
そうなもの。それをひとつかふたつお風呂に持ってゆ
き湯ぶねに浮かせておきます。出てからぬるくなった
ミカンをむくと、白皮がよくとれてむきやすく、ニン
マリ。またお正月のお餅を食べた口ですぐミカンを食べると、独特の苦味が口に残
ってこれもニンマリ。コタツ、お餅、ミカンは、懐かしい正月の三点セットです。
●日本原産の温州みかん
 私たちが普段食べているのが温州みかん。江戸時代の初め頃、もともとは中国
から伝わって九州で栽培されていたミカンの一種の中から、優秀な変異株を見つ
け、日本で改良し栽培を広げたのが温州みかんです。江戸時代は紀伊国屋文左衛
門で有名な紀州和歌山産が有名でしたが、明治以降世界中に伝わるとともに国内
でも静岡など東日本まで栽培が広がりました。温州とは中国のみかんの栽培の盛
んな所の地名をとったものですが、あくまで日本原産と言ってよいものです。
 漢方では陳皮(ちんぴ)といって今はこのみかんの皮を使いますが、日本では
古くからシラワコージ(白輪柑子)みかんを橘皮として使っていたようです。古
く長く乾燥したものの方が良品なので陳(旧)皮と名付けられました。西洋的に
いうと苦味健胃剤で、漢方的には、水をさばくことに薬効があるとされ消化剤と
去痰剤に使われます。香辛料としては七味唐辛子に入っていたり、冬至の柚湯な
ど浴剤に。なお。温州みかんよりはやや原種に近い感じのみかんの仲間には、柚
(その仲間には、徳島のスダチ、大分のカボスなど)、ダイダイ、カラタチ、き
んかん、などあり、それぞれ食品、香辛料、漢方薬として使われています。



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