| 九州宮崎県の民謡に「庭のサンシュョの木、鳴る鈴かけて〜」とあるのを以 | |
| 前からサンシュユなのかサンショー(山椒)なのか?と思っていた。どうも本 | |
| 来は今回話題にするミズキ科の山茱萸らしいのですが、サンシュユよりも山椒 | |
| の方が馴染み深いので、現在は民謡協会がサンショウの方に統一しているよう | |
| です。 | |
| 山茱萸は、春に黄色い小花が散形花序に | ![]() 写真提供(株)ツムラ |
| つき美しいので、春黄金花(ハルコガネバ | |
| ナ)とも呼ばれます。秋には、楕円形の長 | |
| 径1cmくらいの真紅の実をたくさんつけ、 | |
| これも美しいから秋珊瑚と呼ばれ、庭木と | |
| して街路樹としてよく見かけます。 | |
| この赤い実は、グミの実と似ているけれ | |
| ど、グミは、山茱萸のような高木にならな | |
| いし、全く別の植物。グミのことを「茱 | |
| 萸」と書くこともあるのでややこしい。共 | |
| に食べられるという点では共通するけれど | |
| も、別もの。もううひとつ茱萸と書いて、 | |
| 「呉茱萸」という木は、これは、ミカン科の木でやはり秋になる実を漢方薬と | |
| して使う点では共通しているが全く別の植物。こちらの実はまずくてとても食 | |
| 用にはならない。この呉茱萸は当院の薬草園にたくさん植えてあり秋の収穫、 | |
| その後の処理も楽で、実際に使っています。 | |
| さて山茱萸ですが、これも当院の薬草園に10本近く植えてありますが、ま | |
| だ小さく花を少し咲かせるだけで、実の収穫まではいきません。他の薬草園な | |
| どでびっしり実をつけた山茱萸をよく見かけますが、収穫と処理のことを考え | |
| ると気が遠くなります。 | |
| 山茱萸は中国産のミズキ科の落葉高木で、江戸時代に薬用として輸入されま | |
| したが、前述のように今では花木として一般にひろまっています。 | |
| 漢方では、秋によく熟した実を収穫し種を除き、果肉を乾かして使う。ちょ | |
| うど干しぶどうのような感じ。酸っぱくて渋いがわずかに甘味もある。この | |
| 酸っぱさが漢方薬には、肝や腎に働き、足腰の痛みや性機能低下や目まいや耳 | |
| 鳴りなどに効きます。渋味は弛緩した働きをキュッとひきしめる働きがあり、 | |
| 夜尿や頻尿などやはり老化現象に聞きます。ですから老化現象一般を防止する | |
| といわれる八味丸(六味丸)などに含まれて中心的な働きをしています。民間 | |
| 薬としては同じ意味で山茱萸酒をつくっておけば、八味丸を服用するのと同じ | |
| 働き、老化防止、滋養強壮剤となります。 | |