医食同源アラカルト

サンショウ(山椒、蜀椒)
-強い香りの健胃剤-

●お馴染みのつま
 山椒は中国や日本の各地に自生したり、庭木としてもよく栽培されるおなじみ
の落葉低木。小さな葉は対をなして互生していますが、木の芽あえを田楽にのせ
たり、摘んでパチンと手掌でタタいてから冷奴や刺身や焼き魚のつまに、又、す
まし汁の香り付に皆さん使うでしょう。
 雌雄異株で雌には初秋になると赤い表面のザラ サンショウ
写真提供(株)ツムラ
ついた細かい実がたくさんできます。自然に実が
はじけた頃(裂果という)、葉のつけ根について
いるトゲにチクチク刺されながら採取します。薬
草園にも山椒が植えてあり、チクチクと痛いけれ
ども、他の根ものの薬草に較べれば楽な収穫作業
を毎秋します。陰干ししておくと、ほとんど開裂
がすすんで、自然に中の真っ黒な固い種子がとび
でてきます。黒褐色になった果肉の部分が漢方薬
として使われます。これを粉状にしたものは、ウナギのかば焼きに欠かせないお
なじみの粉山椒です。黒色の種子の方は普通は使いませんが、古書に「種子は黒
光りして人の瞳のようだ。それで椒目という」と書かれているように、この種子
は以前はお雛様などの人形の目に使われていたようです。

●冷えたお腹を暖める
 山椒は小粒でもピリリと辛い、の成分はサンショール、よい香りの精油成分と
あいまって、薬としての作用は、芳香健胃剤で特に暖める作用がつよい。駆虫作
用もあります。ですから、この「医食同源アラカルト」という連載のタイトルそ
のもののような、七味唐辛子や、お正月の屠蘇散の中にもよく入っています。漢
方薬の中には虫下しとして烏梅丸という薬の中に入っていたり、冷やえきったお
腹の痛みをなおす大建中物という有名な薬の中にも入っています。
 山椒の幹やたい枝は、擂(すりこぎ)によく使われます。成長の遅い木ですか
ら木質が堅いのと、それ自体にも香りがありますから最適です。「擂亭」という
料理屋が鎌倉山にありますが、日本食の代名詞になっている摺り鉢、擂も今の世
代ではだんだん使われなくなったのは寂しいことです。「あえもの」を家庭で復
活させよう!!
 中国では、四川省(昔蜀の国)産が有名なので漢方薬としては蜀椒といいま
す。香辛料としては、花椒といわれて、中華料理特に四川料理には欠かせませ
ん。四川省に4〜5日滞在したとき、何を食べても山椒の香りが強烈すぎでま
いったことがありました。



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