福島県以南から、沖縄、台湾、中国、朝鮮半島などの海岸近くに自生するキク科の多年草。
多年草といっても冬の間もつやつやと濃緑色の賢型(ハート型)の分厚い葉が見られます。
花期は晩秋から冬で、葉の間から長く伸びた花梗に黄金色のキク科特有の散房状花をつけます。この緑の葉と黄色の花が冬季にはとても目立つので、ツワブキは師走の花とされ、庭園などによく植えられています。
同じキク科の蕗とハート型の葉が似ており、艶があるので艶葉蕗、葉が厚いので厚葉蕗などと呼ばれ、これが「ツワブキ」になったといわれています。
食用としては、これも蕗と同様、春にやわらかい葉柄を採って灰汁に浸してアクを抜き、皮をむいて煮付けや佃煮にします。薬用には、秋に根茎を掘り上げて乾燥して使います。これをタク吾(たくご)といい、屋久島の莪朮を主薬とした民間薬で有名な「恵命我神散」に配合されていました。
また薬には強い抗菌作用のあるヘキセナールが含まれており、茎や葉の煎じ液は、フグやカツオの魚中毒に服用されました。
民間的によく用いられるのは生の葉で、魚中毒に葉の絞り汁を服用したり、切り傷に汁をなすりつけます。皮膚のおできや痔、湿疹、しもやけなどには、生の葉を炙って表皮を除き、とろとろにしたものを張り付けます。
中年以上の方は同じ使い方をするユキノシタを思い出されるかも。痔は煎じ薬で洗ってもよいそうです。乾燥した葉は浴剤としても皮膚病に用いられます。葉を揉んで塩を加え、これを蒸してから脇の下に張るとワキガによいといいます。中国でも全草を蓮蓬草(れんほうそう)と称して民間的に用いられます。
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