医食同源アラカルト

やまいも(山薬)
-身体の各部を活発にする効果あり-

●精が尽きたときは山イモを
 附属薬草園の隣の雑木林で自然藷(ジネンジョ)を掘ったことがあります。雑
木にからみついているツル、葉のついている時ならともかく秋深く葉の落ちたツ
ルでも近所の少年は「あれだ」と的確に見つけます。私などとても及ばない自然
と一体となった視線です、眼力です。深く1メートル以上にもなった自然薯は折
らぬように掘り出すのに半日も汗をかきました。形を似せて長ーいヤマイモをお
みやげ屋に売ってますが、あれは畑をブルで深く掘りかえして作る栽培ものです。
 さて村里で栽培して作る里イモに対して、山に
自生しているから山イモですが、現代では、ほと
んどが栽培もので、上述の長いもの、手掌形のも
の、塊状のものといろいろです。薬草園では塊状
のものを栽培しています。すってトロロイモとして食べれば、消化のわるい麦メ
シでももたれないのは麦トロとして皆さん御存知。その他正月にトロロイモを食
べると一年病気しないとか、あのネバリで精がつくとか。「精根尽きる」といい
ますが、精が尽きたときは山イモを食べよと昔からいわれてます。
●50を過ぎたら八味丸
 40年くらい前、メキシコ産の山イモから「ステホイドホルモン」が抽出され
ました。どうしようもない関節リウマチの痛みが一瞬にして解消する夢のクスリ
として登場し、その後合成して広く使われるようになりました。作用もはっきり
していて、なくてはならぬ薬ですが副作用もまた一流なので、やたら使うクスリ
でないことは皆さん御承知でしょう。当然山芋にもステロイドと近似した成分が
入っているわけで、身体のいろいろな働きを活発にします。副作用がないのが生
薬まるごと服用する漢方のいいところ。
 こうした働きは古人も昔から気づいており、ヤマイモをカットしてカチカチに
干し上げたものを山薬としていろいろの処方に入れてます。
 いちばん有名なのが八味丸。八味腎気丸ともいって他の七種のクスリと組ん
で、腎虚(下半身の老化現像)に使われます。下半身が若返れば夜間2回も3回
も行くようになる夜間尿が減るし、上半身の白内障や老眼も若返り、遠くなった
耳もよく聞こえるようになるというというわけで、50才過ぎたら八味丸とよく
いわれます。現在のように、動物性の蛋白湿を豊富に食べられるようになると八
味丸の「山薬」のありがたさは相対的に低下するのは止むを得ませんが、それで
も、50才過ぎた方が八味丸を服用はじめると違うなー、と気づくはずです。



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