| 漢方薬は、慢性疾患に対して効く、永く服用しているとじんわりと効いてくる、というまことしやか |
| な言い伝えがありまして、それだからでしょうか、「いつまで服用を続けたらいいのでしょうか?」 |
| とよくきかれます。 |
| また現代薬品の、例えば降圧剤については、 |
| 「血圧の薬をのめって病院で言われました。でも先生、降圧剤って |
| 一生続けなければいけないんでしょ。漢方薬だけで何とかなりませんか?」 |
| と質問されることも少なくありません。 |
| まず二番目の質問から答えましょう。 |
| 高血圧に対する降圧剤、糖尿病に対する降血糖薬などは、一生続けな |
| ければならないなんてことは決してありません。重症悪性の高血圧や糖尿病は別として、一般に多い中 |
| 等度から境界領域などといわれるものは、減食や運動、生活環境の改善や、漢方薬服用等々で或る程度 |
| 標準値に近づいてきたら、降圧剤はやめてしまって一向構いません。(これは私共が主として漢方薬を |
| 皆さんへ出しているからそういう立場で強弁しているわけではありません。循環器の専門の方の最新の |
| 知見です。) |
| それでは第一の質問。そのようにして漢方薬一本にしたけれど、こんどは生涯のみ続けなければいけ |
| ませんか? |
| 一般にそんなことは決してありません。漢方薬も現代薬品よりは食品に近いとはいえ、薬は薬です。 |
| 「生涯口に入れ続けなければいけないのは食品であって、薬ではありません。」 |
| 基本的には具合の悪い間は服用し、よくなったら病院のことや薬のことなど、きれいサッパリ忘れて仕 |
| 事に打ち込みましょう。「具合の悪い間」「よくなったら」と二つの表現を今、無意識にしてしまいま |
| した。これがどういう内容なのか、いつなんどきが、その境目なのか、まだ気になる方がいるでしょうが。 |
| あまり先のことまで心配するのはよしましょう。その時点に達すれば、ちゃんと自然に身体と心が納 |
| 得しますよ。健康を守ろう、長生きする、それ自体が目標で私たちは生きているんじゃありません。仕 |
| 事に専念できるよう健康に留意して、結果として健やかな長寿が得られたら、こんな結構なことはな |
| い、というのが私たちの生き方の筈です。漢方薬を服用しはじめたらいつ止めたらいいのか?などと初 |
| めから構えてしまわないで、 |
| 「辛いときには気軽に漢方」「今日も好調、漢方がうまい」 |
| と上手に漢方薬を利用することです。 |