| 皮膚の過敏症というと、特殊のものを除いては、湿疹と蕁麻疹が双璧です。湿疹はその字義通 |
| りにいうと、ジクジクと湿った発疹ですが、衛生状態・栄養状態がよくなった昨今では、ジクジ |
| クとした湿疹にはまったにお目にかかりません。たいていが乾燥型の湿疹という形をとります。 |
| 「乾」を「湿」と表現するのはおかしいですから、「乾疹」という用語がそろそろ生まれてもよ |
| いと思います。 |
| さて、皮膚のトラブルでよく見るのは、ネックレスや時計のバンド、または下着の圧迫場所 |
| などでよくできる接着皮膚炎。これらは何とか工夫すれば避けられますが、もし下着の材質自体に |
| (例えばパンストに反応して)問題がある時は、純綿のパンストなどありませんから、 |
| とても困ったことになります。 |
| 治しにくい湿疹のひとつは、臀部や股間部、あるいは脇の下にくりかえし出現するもの。 |
| 場所的には水虫と同じ原因でおこる頑癬(昔はインキンなどといいました)との類似性を思わせます。 |
| 何年も何年も患者さんを困らせることが多い。 |
| 直径2〜5センチくらいの平面的にもりあがった乾いた「せんべい状」のものが、後ろ首から |
| 襟足のあたりまでできている方。これもなかなか難しい。皮膚科でステロイド入りのクリームを |
| 処方され、その時はごまかせるけど、再発していつまでも治らない。医学用語では「ヴィダール |
| と呼びます。この大きさがもう少し小さく、コイン状に、特に男性の膝から下に集中して苔癬」 |
| 出現し、とても痒く、場所がらついついひっかいてしまい、年余にわたって治らない湿疹もやっ |
| かいです。 |
| 虫刺されが原因で四肢にパラパラと拡がる「痒疹」も、その名の通り痒みが強く、数年かかる |
| こともあります。 |
| 主婦湿疹とよばれる手指・手掌の痛みと乾燥角化を主とする湿疹もやっかいです。転居して水 |
| 道の水がかわるとケロッと治ってしまったり、またもとの住居にもどると出現したりする例もあ |
| ります。最近では「花屋さん」が、切り花の保存剤でやられてしまう例もあります。 |
| 以上、よく見る皮膚の湿疹ですが、もうひとつは蕁麻疹があります。蕁麻疹はいくら慢性とは |
| いっても、何十年も苦しむことはありませんから、あまり気にしないことです。 |
| 以上の皮膚の病変は全部皮膚の過敏症、皮膚のアレルギーとして一括することができます。 |
| ちょっと違うように見える顔のニキビなども、実は皮膚のアレルギーがもとになっています。 |
| 当院に来られるような患者さんは、長年にわたって皮膚科に通院されていた方が多く、どうし |
| てもステロイド軟膏に頼りがちです。当院では原則としてステロイドクリームは出しませんか |
| ら、漢方薬の効果が現れるまで、一定の我慢をしていただく必要があります。このことは、次回 |
| の、現代の湿疹の代表であるアトピー皮膚炎を述べる時に、詳しくお話ししましょう。 |