| 善玉・悪玉、いろいろ意味ありげな名前をつけては皆さんを迷わせます。 分析が発達するにつ |
| れ、検査項目はこのように、ますます多くなり、皆さん のドッグや検診の項目は細かく増えつづ |
| け、何頁にもわたるようになりました。皆さんの寿命や病気がその分詳しくわかるようになった |
| のでしょうか? |
| それらがひとつづつ、みな皆さんの寿命や病気と相関関係があるのでしょうか。もしそうだと |
| すると、例えば総コレステロ−ルの高値(=悪いことだ)と善玉コレステロ−ルの数値が高い |
| (=良いことだ)が同時に出た場合、いったいどう解釈するのですか。 |
| それぞれの平常値をはみ出てれば何か決まり文句をいうというやり方になっている検診方式は |
| もうやめてほしいと思います。例えばうんと痩せていて、総コレステロ−ルの高い人にはこんな |
| 説明があります。「あなたは標準体重を大分下まわってます。もっと栄養価の高いものを多く食 |
| べるようにしましょう。」「あなたはコレステロ−ルが標準よりも高いです。炭水化物や脂肪を |
| 減らしましょう。」一体どうすればいいのですか。滑稽でしょう。こんなことに皆ひっかかって |
| いるのですよ。馬鹿馬鹿しい、と一笑に付すことが一番正しい。 |
| 結局、あ−だこ−だ細かいこといっても、寿命や病気と関係ありそうな数値は総コレステロ− |
| ルと中性脂肪の二つだといわれてます。さて高コレステロ−ルと高中性脂肪がどんな組み合わせ |
| で、どんな循環器疾患と関係するか、いろいろなデ−タが次から次へと出てきます。高コレステ |
| ロ−ルは心筋梗塞は増やすけれど脳血栓は減らすとか、いや逆だとか、中性脂肪が単独に高いの |
| は病気と関係なさそうだとか、いや両方共高いと脳血栓が増えるとか、いや低い時の方がかえっ |
| て死亡率は高いとか。 |
| 大まかな二つをとりあげただけでも様々なデ−タがでてきます。ハイリスクグル−プ[最も危 |
| 険度が高いとされるコレステロ−ルの( 数値をもった人々)がもっとも心筋梗塞になりにくいと |
| かいったデ−タもでてきます。 |
| これらの混乱は何故おきているか。勿論こうした疫学的研究の精度は低いということがいえます。 |
| 前に述べたように、こういう結論を出せ、といわれればどうにでも結論を変えられるのです。 |
| もうひとつはクスリによって上げ下げできるとして、薬でコレステロ−ルを下げたからといって、 |
| 動脈硬化が防げるのかといった問題があります。だんだんわかってきたことですが、 |
| 動脈硬化はやはり遺伝的に決まっているその人の体質であり、それを薬でかえることはかなり難しい。 |
| 少しでもやれることがあるとすれば、それはやっぱり長期間にわたって食生活や生活習慣を |
| かえていくことにあるとしかいいようがありません。 |
| 「薬でどうにかなる」という夢を売買する場が病院です。今まで述べてきたようなつまらぬ子 |
| 供だましの夢をみるのはもうやめましょう。 |