1996年7月の出来事
  • 世界初のクローン羊「ドリー」がスコットランドで生まれる。
  • 英国のチャールズ皇太子、ダイアナ妃と離婚合意。
ミネラルウォーター

サングラスとミネラルウォーター

まばゆいばかりの太陽が、目に、肌に容赦なく照りつける毎日・・・。
ニューヨーク・マンハッタンは、今まさに、夏色に染まっています。
肌の色も、交わされる言葉も、そして生活スタイルや生活レベルもことごとく異なるすべての人々に、太陽ばかりは律儀なほどに平等に降り注ぎます。

この時季、ニューヨーカーたちに欠かせない物は、サングラスとミネラルウォーター。ビジネスパースンたちのブリーフケースからも、タイムズの脇にはミネラルウォーターのボトルが顔をのぞかせています。また、カジュアル派愛用の大きく膨らんだバックパックの中にも、必ずと言っていいほどボトルが潜んでいます。路上でゴクゴクとミネラルウォーターを飲み干す姿は、決してお行儀がよいとはいえませんが、みんな、なかなかサマになっています。

このすさまじいまでの暑さに対抗するためには、水分補給は必須条件。甘味のきついソーダ類よりも、「水」そのものの自然さを、体が求めるでしょう。飲み物だけに限らず、最近ニューヨーカーたちは、以前にも増して、ライト感覚&自然志向がたかまっています。

いたるところにあったステーキハウスは、いますっかり精彩をなくし、それに代わってシーフード・レストランやすしバーが大盛況。どうやら料理(味覚とボリューム両面で)の主流は「ヘビーからライトへ・・」と、確実に移行しつつあるようです。
「和食=ヘルシー」というイメージが広く浸透しているためでしょうか、ひじきや麩など乾物類の袋を手に、パートナーと何やら相談している風景は、何ともほほえましい限りです。

精神的・金銭的自立を基本に、いつも自己主張することを求められ、しかも都会特有の孤独とも闘っていかなければならないニューヨークという街・・・。
自由と刺激がたっぷりある反面、多くのリスクやしんどさもしっかり存在するのです。

そこに暮らす人々が、より軽やかな物を好み、なるべく自然と寄り添って生きていきたいと望むのは、ごく当たり前のような気がします。
この傾向は、食生活をはじめ、趣味や住空間、ファッション、コスメティックなど多方面に、かなりの勢いで広がりつつあります。今まであまりにも全速力で走りつづけてきたためか、さすがのニューヨーカーたちも少々くたびれてきたのかもしれません。

96/7/1
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