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「香のもと」捜しの歴史は古い

香水好きのパリジェンヌは、できるだけ個性的な香りを求める。作り手である香水メーカーも、珍しい香り探しに余念がない。世界各国を回り、貴重な「香りのもと」になる植物や樹木を買いつけてくるのだ。この「香のもと」捜しの歴史は古い。3500年前、エジプトの女王が、初めて買いつけ隊を世界に遠征させたのだという。この時代から、すでにブローカーが存在し、原住民との間で価格交渉が行われていた。マルコポーロもバスコダガマも、新天地から新しい香を持ち帰ったことで知られる。

世界でもまれな「香のもと」は、現在の香水にブレンドされ、女性たちを魅了している。
インドやハイチが原産のベチバーはエルメスのアマゾン、ギラロッシュのフィジーに。ベネズエラから到着したトンカ豆の香りは、ディオールのデゥーン、プショロンのジャイプールに加えられている。ゾンデ島で15世紀に発見されたグローブは、エルメスやコムデギャルソンのオーデコロンにブレンド。
マレーシアや中国産のパチョリは、パトゥーのミル、ティエリーミュグレーのエンジェル、クリニークのアロマティックエリクシールに。
インド洋から来たバニラは、ゲランのシャリマール、ランコムのトレゾォ、カルバンクラインのオプセッションの大切な香り。インドのサンタルは、ゲランのサムサラ、サロンデゥパレロワイヤルのサンタルドミゾール、インドで取れるチュベローズは、ディオールのポワゾン、ジュルジオアルマーニのジオ、ジャンポールゴルティエに使われている。
また、アラビア半島の安息香は、ランコムのマジノワール、イヴサンローランのオピウムに。
その他、イランイラン、ミール、ガルバナム、セードルなど、香水に利用される香りはバラエティに富んでいる。

エキゾチックな香りが人気の今日この頃、香りの発祥地を探ると、異国気分も一層増しそうだ。

(1998/8/15)
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