ルーブル美術館

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美しさに国境はない

心の「美の基準」は価値が失われつつあるようだ。美しさに国境はない。フランスではここ数年、そう主張する美容関係者やメイクアップアーティストが増えてきた。

女性誌でも、ヨーロッパ系、黒人、東洋人、アラブ人など、それぞれの美しさについて語る特集が目立っている。一口にフランス人といっても、彼らの出身国は必ずしもフランスとは限らない。北アフリカ、セネガル、カメルーン、ベトナム、中国などなど、移民やその二世、三世たちもたくさん住んでいる。
しかも、大都市ばかりではなく、小さな村でさえ、多国籍文化が浸透しているのです。そうなれば、なにごとも白人一辺倒では通用しないだろう。

美容の世界も同様で、肌や髪質、色など多様な美を尊重することが求められている。有名女性誌は、黒人、東洋人、北アフリカ系の女性の美容について紹介した。

例えば…。東洋人がピンク系のファンデーションを使うと人工的に見えるが、ローズをアクセント的に使うと明るい印象になる。白人に比べて目の隅は目立たないが、気になるならローズ系ピンクで隠すとよい。
短く直毛のまつげはカール効果のあるマスカラを使い、凹凸の少ないまぶたには、アイシャドウをグラデーションにつける。青味がかった赤やローズの口紅は黒髪と黒い瞳を際立たせるが、ブラウンの口紅は少し暗い感じに仕上がる。

東洋人はシワが気になるのは35歳過ぎてから。でも、シミには注意が必要だとか。くすみがちな肌に一番いいのは、日本製のホワイトニング、なのだそうだ。日本人と日本の美意識も、すっかり市民権を得たようだ。

(2000/2/15)
 
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