サンドミニク通り

サンドミニク通り

アスピリンなどの薬の消費量が、世界最大といわれるフランス。

365日、老若男女みんないつも「恋して」いるパリに、チョコレートを送り女性が愛を告白するバレンタインデーは必要ないようだ。
愛が始まれば、悩みも増える。三角関係、浮気、同性愛、何でもありのパリ。フランスの雑誌でよく目につくのが、「男女の浮気」をテーマにしたもの。フランス映画に描かれる複雑な男女関係は、カフェの隣に座っているカップルにも起こり得る現実。それゆえに恋愛が起因となったストレスも、莫大だ。

深刻な悩みが生じた場合、37%の人が精神科医に相談するだろうと答え、また、アスピリンなどの薬の消費量が、世界最大といわれるフランス。
働き過ぎによる日本人のストレスは海外でも話題だが、フランスでももちろん他人ごとではない。ストレスは万国共通の現代病。この国でも、ストレスを軽減するための手段が次々に登場している。

パリジェンヌが選ぶストレス解消法はリラックス効果のマッサージ。エッセンシャルオイルを使った自宅でのマッサージをはじめ、高級ブティック街のフォブル・サントノレ通りに並ぶ有名ブランドのエステティックサロンで優雅に過ごす人も少なくない。
イヴ・サンローランでは日本式指圧を取り入れたマッサージが好評。カリタは、磁気効果を利用して体のエネルギーの流れを整える方法と、ビジュアルと音楽によりストレスを和らげるという、2つのテクニックが人気だ。いずれも、約1時間半のコースで₣600(フラン)程度。

また、精神と心身を健康な状態に戻すヨガも、最近注目されている。パリ市内に数カ所あるスポーツクラブ「ジムナスクラブ」では、積極的にヨガのレッスンを増加。
リッツ・ホテルのヘルスクラブでも、昨年の夏からヨガのコースが2つ加わった。東洋医学、アロマセラピーなど、彼らは心地好い毎日のため様々な方法に挑戦している。

歓喜と憂鬱。愛の都パリは、このストレスから解消されることはなさそうだけど・・・。

(1997/2/1)
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