サンフランシスコの節水タイプのトイレ

Sustainable Financing Program

これが50年前の写真です。そしてこれが現在の風景。そういって映し出された、雪の残る山々に挟まれた氷河の風景。同じ場所だろうかと疑ってしまうほど変化が起きている。
すっぽりと雪をかぶった山々がこの50年のあいだに山肌を顕著に現わし、氷河は小さく短くなってしまっている。

ペルーからの近況。小さな子供たちを引き連れ、奥さんを脇においてお父さんが私たちの飲料水がもうすぐなくなってしまうと話している悲しい表情がTV画面いっぱいにひろがると、その深刻さが迫ってくる。自然の恵みに頼って生活をしている人たちにとって、水は命の泉ともいえる。世界的なレベルで地球の温暖化がもたらしている結果だ。

San Francisco Sustainable Financing Program (SF2) サンフランシスコ環境を大切にする地球にやさしいプログラムが発表された。個人住宅や商業用建物に、エネルギー効率や水利用効率の改善を目的とした施設投資をしようとする人たちに、一件あたり市が最大$50,000(約450万円)の融資ローンを行うというもの。

エネルギーの再生利用改善としてソーラーシステムや風力タービンを住宅やビルに設置したり、これから新しく建てるアパートの部屋全室に節水タイプのトイレを備え付けたり、すでに運営しているアパートにある古いトイレを一斉に節水タイプのものに入れ換えたりすることに対して、市がお金の貸し出しをするというもの。
借りたお金は個人にではなく建物に課せられ特別な固定資産税として返済をしていくというシステム。温室効果ガスの排出削減に貢献するだけでなく、注目されているグリーン関連職の拡大に役立つとしている。

約半分の温室効果ガスは、市内にある建物からエネルギー消費の結果として発生してくるという。温室効果ガスを減らすためには、無駄遣いにつながる資源を浪費する設備や古い機器をエネルギー消費の少ない新しい設備や機器に入れ替える必要がでてくる。
でも、そういった買い替えのために発生する一時的な出費はスケールにもよるが各世帯やビジネスオーナーにとって大きな負担となる。そのために思い切れないでいる人たちに動機付けとして奨励する機会になりそうだ。

2008年7月にスタートしたGoSolarSFプログラムはしっかりと根を出し、一年間の間に市内でソーラーシステムを備え付けた世帯が倍に増えたという経験をもつ。サンフランシスコのこのようなプログラムが私たちの将来を変えてくれるだろうか。

ペルーの家族、彼らの水を守れるだろうか。ひとりひとり、私たちができることを今一度考えてみてもいいかもしれない。遅すぎる前に。

(2010/01)
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