サンフランシスコのスーパーマーケット

多彩な品揃え

スーパーマーケットでは野菜や果物がばら売りで販売されていることが多い。
積み上げられた玉葱や人参、ジャガイモ、トマト、キュウリ、レタス、ガーリックなどを欲しいだけとって、ところどころに置いてあるビニール袋に入れてバスケットやカートに集めていき、レジでそれぞれの値段に従って重さで代金を支払う。無駄なパッケージがなくなるのと、包装に要する人件費と時間が節約できるから、とても便利なシステムだ。

大型チェーン店のスーパーマーケットなどに対抗してか、特に高級志向の客をターゲットにしたり独自性を強調するマーケットでは、最近、こういった欲しいものを欲しいだけというばら売り(計り売り)のセクションの拡大が目立つようになってきた。その多彩な品揃えはまさに目を見張るものがある。

簡易性から言っても、朝、シリアルを食べる習慣のある人はかなり多いが、そのまま食べることができるシリアルの一種、グラノーラ(granola)やコーンフレークがこんなセクションで販売されている。
毎日種類をかえて食べても、あるいは混合して食べてもしばらく同じものを食べることがないほど、多くの種類が透明なケースに入って並んでいる。

市販で売られているシリアルは、糖分が過剰に添加されていることが多いし、自分好みのものをみつけるのが難しい。でもこんなマーケットに行けば、自分のオリジナルで、A種のグラノーラを2割、B種のグラノーラを3割、C種を5割入れてつくりあわせることも簡単。不必要な添加物も入っていない。
しかも、自分で作るから糖分の添加なし。甘味が足りないと思えば、そこにスライスしたフレッシュなイチゴやバナナを混ぜ合わせて、充分に自然な甘味を追加できる。健康志向の人に喜ばれそうだ。

また、こんなばら売りセクションには、料理の材料として使うものもたくさん並んでいる。大麦、小麦の乾燥させたものから、それを粉にしたもの、蕎麦粉や米粉もあれば、パン専用小麦粉、乾燥させたトウモロコシやその粉だって売っている。

究極はなんと言っても、乾燥ヒジキやアラメ。Hijiki、Arameといって名前がケースに張ってある。ばら売りセクションには計量器が置いてあるから、必要な材料を必要なだけ買うことができる。だから大きなパッケージのものを買って、しばらく使わない材料を引き出しや棚に延々と保存する必要もなくなる。料理好きな人にとって、まさに嬉しい限りのセレクションがひろがっていて、新たなる料理の一品を考え出す宝庫ともいえる。

スーパーマーケットなどをのぞいてみると、そこに生きた生活を垣間見たりすることができる。文化の違いから思わぬ面白い発見もある。こんなマーケットに立ち寄ってみてはどうだろう。

(2007/07)
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