うつ

焦燥感、不安の強い時のアロマテラピー

この項では、「焦燥感、不安の強い鬱」について御紹介します。
このタイプの人は、たえずそわそわと動き回ったり、髪の毛やペンをいじったりと、長く落ち着いて座っていることができません。一つの事をきちんと終わらせることより、ともかく早く片付けて、頭の中にある「しなくてはならない事」に次々と取り掛かろうとします。

いつも焦燥感にかられ、ゴールのないマラソンを全速力で続けているようなものですから、憂鬱そうで、疲れて、やつれた顔をしています。圧迫性の頭痛(時には、頭が爆発しそうな感じ)・目の不調・けいれん・チック・筋肉のひきつり・動悸などの症状を訴えることがあります。このような鬱状態が続いていると、心に根の深い怒りを生み出している場合もあり、ささいなことをきっかけに、腹をたてたり・絶望したり・気分がめまぐるしく変化することもあります。

また、「自分には価値がない」という考えや、恐怖心を隠すためにイライラしている人や、突然動悸がしたり、涙があふれ、「心の平和」を求めるあまり自殺を考える人もいます。このタイプの人は、そのような感情や無力感のため、かえって仕事に没頭する傾向があります。

焦燥感、不安の強い鬱に対して用いられるエッセンシャルオイル

メリッサシダーウッドラベンダーローマンカモミールベルガモット
マージョラム、ナツメグ、オルメニスフラワー、バレリアン、レモンオレンジ

焦燥感、不安の強い鬱に用いるエッセンシャルオイルのブレンド

ブレンド「軽い」

  • ラベンダー3:ベルガモット2:オルメニスフラワー1 の割合で

ブレンド「中位」

  • シダーウッド2:オレンジ1 の割合で

ブレンド「深い」

  • レモン3:シダーウッド1:オルメニスフラワー1:ナツメグ1の割合で

鬱の人に接する場合ですが、他人の愛情や思いやりが最大の贈り物です。鬱の人はそのことに感謝しつつも表現できないこともありますし、時として迷惑そうに見える時もあります。とにかく根気よく話を聞いてあげたり、優しく手に触れたり、マッサージすることは、その人を支え力づけます。鬱に人は体を触られることを嫌がる人もいますが、そんな時はこれらのエッセンシャルオイルの香りだけでも役に立つでしょう。

アロマテラピーの方法

下記の方法から用いたい時や場所に合わせて使い分けてください。

1.仕事や作業に集中したい時

ティッシュにつけて吸入したり、室内に香らせたりします。
入浴もそれ自体が精神を集中させるのに適した時間です。(但し、バジルやペパーミントは皮膚刺激を感じやすいので、使用しないか少量に)全体的な集中を高めたいならば、全身マッサージがよいでしょう。

2.芳香浴

空気中に香りを漂わせる方法を「芳香浴」と言います。精油は揮発性が高いので、どんな方法を用いてもその空間に香りが漂い「芳香浴」の状態になります。
基本的な方法として「アロマポット」(上部の容器にお湯を入れ、精油を数滴落として、下からロウソクで温め、蒸気とともに香りを発散させます)があります。これは火を使いますのでお子さまやペットがいるお家では、ロウソクを使わない電気で温めるタイプや細かい霧状に分散させるディフューザーを使うとよいでしょう。

3.入浴

リフレッシュしたい時は少し熱めのお湯で短時間入浴します。リラックスしたい時は少しぬるめのお湯でゆっくりと入浴します。精油の量は普通のバスタブで、3~6滴。スパイス系のものは少なめに。精油は直接バスタブに落とし、よくかき混ぜてから入浴します。次の人が入る時には3滴を追加します。ひとつかみの自然塩に精油を混ぜると、さっぱりタイプの入浴剤になります。しっとりタイプは、1回分5mlの植物性のオイルやミルクに精油を混ぜます。 専門店では、精油を水に混ぜ合わせる為の乳化剤なども扱っています。
(注意)夜の入浴は大丈夫ですが、柑橘系の精油が肌に残ったまま日光にあたるとシミや炎症を起こすことがありますので注意して下さい。

4.マッサージ

精油を植物性オイルでうすめてマッサージオイルを作り、マッサージしたりスキンケアに利用します。あまりベトつかず、使用しやすい植物性オイルは、ホホバ油、スウィートアーモンド油です。他にも色々な特徴をもった植物性オイルがありますので、専門店で相談しながらの購入をおすすめします。
これらのオイルを「ベースオイル」と言い、お好みのベースオイル10ml(さかずき一杯位)に、目的にあわせた精油を2~3滴落として混ぜ合わせると、マッサージオイルの出来上がり。すでに出来上がったブレンドオイルもよく売られていますので、これを使うと初めてでも簡単にアロマ・マッサージが出来ます。

5.ルームスプレー

100ccの精製水をスプレー容器に入れ、精油を10~15滴(最高20滴まで)落とし、よく振り混ぜてから使用します。 上記の精製水のうち、純度の高いウォッカや無水エタノールを10~30%の割合で加えると香り立ちや殺菌力が高まります。

6.蒸気吸入

洗面台や洗面器、ボウルなどに熱湯を注ぎ、精油を1、2滴落とします。頭からバスタオルをかぶり、蒸気が逃げないようサウナのような状態にして、5分~10分位ゆっくり深く蒸気を吸い込みます。 この時目は必ず閉じて下さい。起きあがれない病人の場合は、枕元に洗面器、ボウルなどを置くだけでもよいです。 アレルギー性鼻炎や喘息の人がはじめて行う時は、短時間からはじめて徐々に時間を延ばしながら行って下さい。

7.手浴・足浴

手首や足首の上まで浸る洗面器やバケツを用意します。熱めのお湯(入浴よりやや高めの温度)を洗面器やバケツに注ぎ、精油を1~3滴落として手や足を15分位浸します。冬場は、すぐにお湯がぬるくなってしまいますので、熱湯を足しながら行います。精油の香りを楽しみながら、ゆったりとした気分で過ごしましょう。好きな音楽を流しながら行うのもよいですね。

8.簡単な方法

ティッシュ、ハンカチ、枕カバー、ポプリ、カーテン、カーペットや熱湯を入れたコップに精油を数滴落として香らせます。オフィスや外出先でも簡単にできます。

9.手作り石けん・コスメティック

精油を使って手作りの石けん、化粧水、クリーム、パック、リップクリーム、ハンドクリーム、香水、マウスウォッシュ、アロマキャンドルなど作ってみるのも楽しいですし、材料に何が入っているか分かっているので安心感があります。

内容は保証されるものでなく、医師による診断や治療の代わりにはなりません。各自の責任で実行してください。