食エッセンス
19.健康食品と栄養


日本において「健康食品」とは(「健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの」の総称)で、一般的には健康に良い食品全体を指して使われています。現在のように、欲しい食物を季節に関係なく入手でき、快適で豊かな生活を送れるようになった今、生活習慣病やメタボリックシンドロームなどにも関係が深い日々の食生活が、以前にも増して重要になってきました。このような状況下において、食品である「健康食品」の正確な認識が消費者の方々に求められています。
メタボリックシンドローム診断

そこで、一番最初に理解しなくてはいけない大切なことは、「健康食品」はあくまで「食品」であって、「医薬品」とは全く違うのだということです。だからこそ「健康食品」を選ぶにあたって考えなければいけないことは、「有効性よりも安全性を重視しなければならない」ということなのです。

1.食品とは?
食品衛生法によると、「薬事法で規定されている医薬品と医薬部外品以外のすべての飲食物を食品という。」とされています。

2.食品には期待される3つの機能があります。
・一次機能(生命維持のための栄養面での働き)
・二次機能(食事を楽しむという味覚・感覚面での働き)
・三次機能(生体の生理機能の変調を修復する働き)

上記の内、三次機能において考えられる、代謝調節・生体防御・疾病予防・疾病回復・老化防止などが、一次機能との関わり合いがとても深く「より元気で長生きをしたい」という期待感からも、科学的根拠が不明確なまま、多くの食品が利用されるようになって来ました。

3.食品の種類には?

特別用途食品−厚生労働省が表示許可−
 ・病者用・妊産婦用・乳児用・アレルギー用・高齢者用



保健機能食品
A「特定保険用食品」
[1](個別許可型)−厚生労働省が表示許可−
2007年12月現在750品目が許可・承認。
表示内容で9つの機能に分類することが可能です。
1)お腹の調子を整える食品
2)コレステロールが高めな方の食品
3)血圧が高めな方の食品
4)ミネラルの吸収を助ける食品
5)虫歯の原因になりにくい食品
6)歯の健康の為の食品
7)血糖値が気になる方の食品
8)食後の血中中性脂肪が上昇しにくい食品
9)体脂肪がつきにくい食品
10)骨の健康が気になる方に適する食品

参考
「健康食品」の安全性・有効性情報〔独立行政法人 国立健康・栄養研究所〕


疾病リスク低減表示が含まれます
関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合、疾病リスク低減表示を認める。現在認められている関与成分は〔カルシウム〕(食品添加物公定書等に定められたもの又は食品等として人が摂取してきた経験が十分に存在するものに由来するもの)と〔葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)〕の2つです。

参考
厚生労働省:保健機能食品・健康食品関連情報

[2](規格基準型)−厚生労働省が表示許可−
特定保健用食品としての許可実績が十分であるなど科学的根拠が蓄積されている食品について、規格基準を定め審議会の個別審査なく許可する。

〔I区分(食物繊維)〕
(関与成分)
1)難消化性デキストリン(食物繊維として)
2)ポリデキストロース(食物繊維として)
3)グアーガム分解物(食物繊維として)

〔II区分(オリゴ糖)〕
(関与成分)
1)大豆オリゴ糖
2)フラクトオリゴ糖
3)乳果オリゴ糖
4)ガラクトリゴ糖
5)キシロオリゴ糖
6)イソマルトオリゴ糖

※特定保健食品(規格基準型)は、現在、I・II区分を合わせて全9つの関与成分が認められていますが、商品化されているのはI区分(食物繊維)関与成分:1)難消化性デキストリン(食物繊維として)です。

参考
厚生労働省:保健機能食品・健康食品関連情報

[3](条件付き特定保健用食品)−厚生労働省が表示許可
特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として、許可対象と認める。

(許可表示)
「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」

現在、500件以上が許可又は承認されています。
(例)ヨーグルト、飲料、食用油等について、
1)「お腹の調子を整える」
2)「血圧が高めの方に適する」
3)「コレステロールが高めの方に適する」
4)「血糖値が気になる方に適する」
5)「ミネラルの吸収を助ける」
6)「食後の血中の中性脂肪を抑える」
7)「虫歯の原因になりにくい」
8)「歯の健康維持に役立つ」
9)「体脂肪がつきにくい」
10)「骨の健康が気になる方に適する」
といった表示です。

B「栄養機能食品」(規格基準型)
栄養素の含有される下限値は栄養素等表示基準値の30%と設定。又、上限値は医薬部外品の最大分量を超えない12種類のビタミンと5種類のミネラルです。

ビタミン12種類(ビタミンA,D,E,B1,B2,B6,B12,C,ナイアシン,葉酸,ビオチン,パントテン酸)
ミネラル5種類(カルシウム,鉄,亜鉛.銅,マグネシウム)

参考
独立行政法人 国立健康・栄養研究所


一般食品
「健康食品」と呼ばれている食品の中で一番多く市場に流通している『いわゆる健康食品』とその他の一般食品。

4.「保健機能食品」の必要な表示
「食生活は、主食、主菜 、副菜を基本に、食事のバランスを。」の表示は義務づけられています。その上で各々下記の内容表示をしなくてはいけません。

「特定保健用食品」
1)保険機能食品「特定保健用食品」であること
2)栄養成分の表示(保健機能に関与する成分を含む)
3)特定の保健用途の表示(表示許可された表示)
4)1日当たりの摂取目安量
5)摂取方法
6)1日当たりの栄養所要量にたいする充足率(栄養所要量が定められているものに限る)
7)摂取をする上での注意事項

「栄養機能食品」
1)保険機能食品「栄養機能食品」であること
2)栄養成分の表示(機能表示するする成分を含む)
3)栄養機能表示
4)1日当たりの摂取目安量
5)摂取方法
6)1日当たりの栄養所要量にたいする充足率
7)摂取をする上での注意事項
8)本品は、特定保険用食品と異なり、厚生労働省による個別審査を受けたものではないこと。

5.「健康食品」の有効性と安全性の評価基準

1)国が有効性・安全性共に評価している「保健機能食品」(特定保険用食品・栄養機能食品)。
2)(財)日本健康・栄養食品協会が厚生労働省の指導のもとに健康食品の安全・衛生、表示内容等を品目別に規格基準を設定しています。その基準に適合したものにはJHFAマーク(Japan Health Foods Authorization)が付けられています。(品質の保証であり効果の保証ではありません)
3)上記以外の食品。

大切なことは、食品の三次機能である「食品が持っている生体防御や生体調節機能を調節健康や疾病予防に寄与する機能」の有効性を科学的に検証し、科学的根拠が示された上で、国の審査を受けた食品である、『保健機能食品』(特定保険用食品・栄養機能食品)は、他の一般食品に分類される『いわゆる健康食品』とは区別するべきだということです。
JHFAマーク(Japan Health Foods Authorization)のついている商品は、品質の安全性においての保証であり効果の保証ではない点に注意すれば意味のある食品といえるかもしれません。


6.注意して見て欲しい「栄養強調表示」と「健康強調表示」
「栄養強調表示」とは、一般の消費者に販売される加工食品(日本語で表示)に義務づけられている栄養表示(エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムの5項目-表示の順番も決まっています-)及び栄養表示されたその他の栄養成分が、その食品100g(飲料の場合は100ml)中に含まれる量を表示した上で規定値に対して多い時、少ない時にできる強調した表示のことです。

例えば、「カロリーがゼロ」、「カロリー控えめ」、「ビタミンC」がたっぷりなどです。

参考
ゼロと強調表示できる基準(東京都福祉保健局)
強調表示できる基準(東京都福祉保健局)
国際的な食品の規格(厚生労働省)

※決められた基準値に対して「たっぷり」とか「ゼロ」などと食品の内容成分を強調表示してありますが、100gもしくは100ml中に対する表示なので、求めようとしている食品の実際の量をよく見て、一日に必要な量なども考慮に入れながら、「自分にとって本当に必要な量とはどのくらいなのか?」と考えてみてください。

参考
一日の栄養素等摂取目安量(東京都福祉保健局)

あくまで目安の量です。年齢や既往症などにより必要量は違ってきます。かかりつけの医師がいらっしゃる場合には、ご相談ください。

「健康強調表示」とは、科学的根拠の基に人で検証され、裏付けされた健康表示です。特定保健用食品に表示が許可されている「保険の用途」と栄養機能食品に強化されている「栄養機能表示」などがあたります。
7.「健康食品」と「栄養」の関係は?
「保険機能食品」は、いわゆる健康食品と比べてみると、形態的に錠剤やカプセルの形をしていないものも多く、通常の食品に近い親しみやすい形をしているといって、過剰に摂取することは禁物です。これらの中には、栄養素などの成分を通常の食品より高濃度に含んでいるものもあり、「沢山摂取した方が健康になれる」という考え違いから過剰摂取をしがちになり健康障害を起こす恐れがあるからです。また、有効成分の必要量は、栄養素の所要量にみられるほど、厳密な調査が行われていませんので、たとえ適切な摂取量が示されていたとしても、効果の判定結果には個人差があります。

したがって、「保険機能食品」や一般の健康食品を摂取する場合には、商品についての十分な知識をもった上で、その必要性を十分に考え、自分の体に最適な摂取量をとることが大切です。健康の維持において、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」が基本であり、そのためには通常の食品を上手に使いこなすこと(いろいろまぜて30食品を1日で取るなど)が大事です。その上で、必要な食生活が困難な場合に二次的に補足するのが、「健康食品」であると考えるべきではないでしょうか。

(参考資料)
健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック(第一出版株式会社)
独立法人 国立健康・栄養研究所 監修/山田和彦・松村康弘 編著
サプリメントアドバイザー必携(株式会社薬事日報社)日本サプリメントアドバイザー認定機構 編集
 





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