医食同源アラカルト

小豆、(あずき、赤小豆)

●昔は「赤いダイヤ」
 大豆に対して小粒だから小豆。赤いから赤小豆、ともに日常的には「あずき」
と読みますが、漢方薬として呼ぶときは、セキショーズといいます。
 学生時代の思い出。アリコ・ルージュという喫茶店があってバイトをしていた
のですが、フランス語で赤い豆という意味。あずきのことかー。その頃、学生結
婚で女の赤ちゃんのできた友人に名前の相談を受け、「あづき」はどうだとこち
らは冗談半分にいったのが採用されて・・・。そのあづきちゃんも今では立派な
レディーです。
 さて小豆は、中国・日本など東アジア原産で古く
から栽培されています。近縁の緑豆(リョクトウ)
は、中国でも、“春雨”や“もやし”に使われます
が、小豆は日本人が特に好むようで、他国では食べ
れず、栽培されていてももっぱら日本への輸出用で
す。日本での栽培は北海道中心で、相場商品。天候
次第で価格の変動がはげしいので「赤いダイヤ」な
 食品としては無論、お赤飯。お赤飯には、小豆よりやや大粒の「ささげ」もよ
く用いられます。それになんと言ってもお汁粉にあんこ、羊カン。子供の頃から
甘党だった私。砂糖が充分に手に入らない時代でしたから、甘いアンコに対する
憧れはつよかった。臨海学校で、さんざん海で遊んだあとの塩辛い口に、お汁粉
の至上の味。今でも生クリーム系の甘さよりもアンコに手が出ます。

 クスリとしての使い方は、民間的には、砂糖などを使わずに、小豆を水で煮る
だけ。母乳の出をよくしたり、往年の「脚気」(脚のむくみ)に用いられまし
た。あづきをセキショーズとして漢方薬に用いることを知ったのは、漢方を初め
て数年、赤小豆と鯉を煮たものを腹水の貯まった患者さんに食べさせてむくみを
とったという論文を読んだときする。赤小豆鯉魚湯というそのものの名前のつい
た方剤です。薬膳に近い方剤ですが、塩も砂糖もなしですからおいしいことはな
い。珍しい方剤では、胃に入った毒を吐かしてとり除く、吐剤といわれる柿蔕散
があります。これは柿蔕(カキの実のヘタ)と赤小豆を粉末にしてまぜたものです。
 京都では伝統的に十日にいちどはお赤飯を食べていました。十日間のたまった
水分(水毒)をすっきり利尿する為です。上記のように砂糖を入れないで煮たア
ズキの作用を、ごはんと胡麻塩で生かした生活の知恵です。



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