医食同源アラカルト

小麦・しょうばく・浮小麦
-盗汗(ねあせ)などを止める補陰作用-

●麦メシ、麦トロも美味
 御存知のように小麦には米よりも多くの蛋白質(グルテン)が含まれていて、
多く含まれてるのが硬質小麦。パンやスパゲッティのおいしさはこのグルテンに
負うところが多い。強力粉ですね。蛋白質が少ないのは軟質小麦。薄力粉でケー
キやお菓子に用います。(米にも麦にも硬軟二種類あるんだなー。) これらの
製粉のときにとり除かれる皮や胚は「フスマ」といわれ飼料にされたり自然食に
だいこん
写真提供(株)ツムラ
応用されたり、米でいえばヌカに相当します。
 ついでに大麦は、パンにはならず、製粉しなく
てもそのままゴハンと同じように粒食できます。
麦メシ、麦トロなどといいますが、現在ではほと
んどが家畜の飼料にまわされます。粒が六列につ
く六条大麦と二列につく二条大麦があり、二条の
方はウィスキーやビール用。コムギ、オオムギよ
り少し野生種に近いのがライ麦。黒パンやウィス
キー、ウォッカの原料に。
●四時の気をみえて、五穀の貴
 さて小麦はイネ科の越年草。古書に、「秋に播き、冬に長じ、春に秀で、夏に
実る。四時(季)の気を具えて、五穀の貴となる。地暖かにして春播きて夏収む
るものあり、気足らず。」と秋播きの越年型を推奨しています。現在の小麦の発
祥地は黒海からカスピ海のオリエントで、紀元前50〜60世紀といわれ、オオムギ
にかわって主食に座についたのは、紀元12世紀頃ヨーロッパ全土に小麦の栽培が
拡がってからです。その後新大陸アメリカへ、またオーストラリアへ。東方へは
中国での小麦栽培は紀元前20世紀には伝わっており、日本へは紀元4〜5世紀とい
われ、八世紀には水田の裏作としてかなり栽培されていたそうです。
 薬用には種子のままか、小麦粉として用いる。水でとぐときに浮き上がる未熟
なものを浮小麦(ふしょうばく)といって、焦げるまで炒って粉末にして重湯に
して服用する。漢方薬には補陰といい、盗汗(ねあせ)などを止めます。子供の
夜泣きなどには、このシリーズにすでに出ている甘草、大棗とまぜて、甘麦大棗
というおくすりがあります。三つともおいしい食品を三種まぜて精神安定剤にな
る不思議。湿布くすりとしては小麦粉を練って、どんな外傷や火傷に湿布しても
よい。



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