医食同源アラカルト

蜂蜜・白蜜・石蜜・(蜜乳)
-身を軽くして飢えず老いず−

●日本書紀にも記述
 登場するのが遅すぎたぐらい、ハチミツも食品であると同時に主要な漢方薬の
ひとつです。
 洋の東西をとわず古代から用いられ、有史以前、例えばアルタミラの洞窟壁画
にも蜂蜜の採取風景が描かれているし、古代インドの仏典などにも登場します。
日本では、スサノオノミコトがオオナムチノミコトをこらしめる為に、蜂の部屋
に閉じ込めるという(拷問ですね)記述があったり、日本書紀には朝鮮半島、百
済の太子余貴が「養蜂」を日本に伝えたとあります。2000年前の中国の医書に
は、常用してもかまわない薬(上品)として、「味甘平、心腹の邪気、驚、癇、
痙を除き、五臓を安んじ気を益し、痛みを止め、毒を解し、百病を除き、百薬を
和し、久しく服すれば志を強くする。身を軽くし飢えず衰えず」とその効能が書
かれています。
 ハチミツは働きバチがいろいろな花の花蜜腺 ミツバチ
を吸って巣に帰り貯えた甘味物です。いちどハ
チの前胃の中に入ったものを吐き出すので、こ
の間に花蜜のショ糖は加水分解されて大部分は
転化糖になっているのが特徴です。それ以外
に、脂溶性以外のビタミンなど、ほとんどすべ
ての栄養源がそろっているといわれ、古代より
人間に重用されていた理由がわかります。な
お、もっと凄いといわれるのがロイヤルゼリー(蜜乳、ロイヤルから王乳とも)
ですが、これは、蜂蜜ではなく、女王蜂をただ一匹残す為に働き蜂たちが与える
咽頭腺や大腮腺から分泌される栄養物です。なにしろこれだけで育てられる女王
蜂は身体が他の蜂より3倍大きく30倍長生きし多くの卵を産みつづけるのですか
ら、そんなぜいたくなものを人間が見逃すはずはなく、特別に高価な健康食品と
なっているのです。

●他の生薬と組み合わせて滋養薬に
 さて蜂蜜は、漢方では肺を潤し咳を止め、腸を潤し便秘に、胃の痛み、口内
炎、火傷などに使われます。外用としては何といっても美肌クリーム。そして何
より滋養強壮剤として他の生薬と組んで使われます。いちばん多い使われ方は、
漢方薬を飲みやすくする為に味をよくする矯味。八味丸などおなじみの丸薬をつ
くる時の成型(粉末生薬のつなぎ)。他に、毒のあるトリカブトを蜂蜜で煎じる
と特別な使い方もあります。又潤腸作用をそのまま、まともに発揮させる使い方
として、蜂蜜の水分をとばして固形にし、座薬にしてお尻にさし込むという浣腸
的な使い方もあります。



back.gif