医食同源アラカルト

独活(ドッカツ・ししウド・羌活)
-風湿を除き経路を通す-

●初夏の味覚
 独活といえば、先日亡くなられた張瓏英先生の推奨した独活寄生湯を思い出し
ます。先生は日本に中医学をもたらした大恩人のお一人でした。
 日本で独活といえば、ウコギ科のウドのこ
写真提供(株)ツムラ
と。畑の近くの竹やぶの子暗いところにウドを
見つけたことがあります。一般には静岡では暖
かすぎ、涼しい長野や群馬に自生します。一夏
でぐんぐん伸びて見上げる程にもなりますが、
しょせん、木ではなく一年生の草ですから、茎
は太くても柔らかで冬になれば枯れてしまう。
なりはでけえが柱とはいえない「ウドの大木」
というわけです。「ウドの大木、杖にもなら
ぬ」とも。食品としては、江戸時代から、直射
日光を遮って軟化栽培していたようで、現在
スーパーに並ぶ白いウドはみなこの栽培品で
す。アクをとって生のまま、または湯通ししてつくる味噌あえ(ヌタ)は、初夏
の私の大好物です。
 江戸時代の外科医の華岡青州のつくった十味敗毒湯という皮膚のできものをき
れいにする処方に独活が入っていますが、これは日本産のウドのことでしょう。
薬用部分は根茎です。
●体表の熱や毒をとる
 中国で独活というとセリ科のししウドのこと。先ほどの和独活というのにたい
してこちらは唐独活。ウコギ科とセリ科は近縁ですから姿形はそっくりです。い
のししが食べるから?ししウド。すっくと独り立って風に揺れないから独活とい
うと古書にあります。又、この草は、風には揺れないで自ら動くというので独揺
草というともあります。
 根茎を乾燥して処方に入れますが、薬効は青州の十味敗毒湯のように、体表の
熱や毒をとる働きがひとつ。もうひとつ、冒頭に述べた独活寄生湯の場合のよう
に、身体の中の風湿を除き、経路を通す作用があります。健康な身体では、気血
が順調に経路を巡っているのですが、風湿の邪がそこにとりついて、気血の流れ
を疎滞すると、腫れたり痛んだりするのだという考え方です。具体的には関節の
腫れ痛みによく用い、張瓏英先生は関節リウマチに用いると同時に他の膠原病に
もこの処方を応用しました。
 近縁の植物に羌活(キョウカツ)と呼ばれる生薬があり、薬効は独活とほぼ同
じで、よく同時に処方されますが、羌活の方は、より芳香性がつよい、(気の働
きがつよい)ということで、上半身の痛みや頭痛のくすりによく配合されます。



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