医食同源アラカルト

酢 (苦酒・ビネガー・木酢・竹酢)
-殺菌作用と食欲増進-

●酢酸が4〜5%
 酢は、酢(醋)酸を4〜5%くらい含んだ酸っぱい溶液ですが、私たちが体験
できるのは、漬物の古漬。発酵食品が古くなり発酵がすすみすぎると酢っぱくな
る。酸敗するといいます。そのへんまでは食べられますが、それをこすともう捨
てた方がよい。牛乳の酸敗がすすんだヨーグルトの酸味(乳酸)もその程度ま
で。私は以前お米を発酵させてドブロクを作ったことがありますが、これもアル
コールの段階をすぎて酸っぱくなってしまいました。最近は自然食の時代で醸造
酢を皆さん使いますが、これは、ドブロクと同じように米などを発酵させ、アル
コールの度数が5%くらいになったときに、更に酢酸菌を使ってもう一段発酵を
すすめて酢にします。以上でもわかるように、酢、酸、それから酢を醋と書くと
きもありますが、これらは皆「すっぱい溶液」を表す漢字です。同じように果実
からの発酵酒を一段すすめて酢にしたものがビネガー。
 酢のつくり方はもうひとつ。待合室に置いてある竹酢もそうですが、木や竹で
炭を焼くとき、ベターっと重いタールの上に出てくる液体、これがやはり酢酸を
含んだ酢です。現在はこの木酢や竹酢を防臭剤や浴剤として使いますが、以前は
これらから工業的に酢酸をつくっていました。以上は「自然」なつくり方です
が、現在では石油からの合成酢酸が主流で、この酢酸を4〜5%含んだ溶液に香
味料などを加えたのが食用の合成酢です。
●肝と関係が深く、ストレスを和らげる
 酢は中国では古く紀元前10世紀くらいには利用さ 酢
れていたようで、放置した酒が酸敗したものが起源
らしく、「苦酒」と呼ばれていました。日本には起
元 500年頃輸入されたようで「からざけ(唐酒)」
と呼ばれたようです。ヨーロッパではもっと古く、
紀元前50世紀にはバビロニアでワインビネガーをつ
くっていたようです。
 酢の効能は酢酸による殺菌作用。酢洗い、酢じめ
(鮨)、酢づけ(ピックルズ)など御存知の通り。
酸味は胃酸の働きを助け食欲増進にもなります。食物中の雑菌を殺しますから、
夏には酢の物がいちばん。妊婦が酸っぱいものを欲しがるのもよく知られた事実
です。漢方的には酸味は肝と関係が深く、ストレスを和らげてくれます。漢方薬
としては、卵の殻の中で、生薬と酢を煎じるという手の込んだ半夏苦酒湯などが
知られています。



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