39.クコ(枸杞・枸杞子・枸杞葉)—精気を補益し陰道を強盛するなり—

薬用酒でおなじみ

クコ中国や日本で自生、栽培されているナス科の小喬木。ナス科の多くは草本で一年で枯れてしまいますが、クコは木本で、紅い実が美しいので生垣や庭木として植えられます。
クコ酒としておなじみの強壮薬。中国では古代から不老長寿の秘薬として、道家、仙人志向の人々に愛用され、日本でも平安時代には宮中でブームになったそうです。

枸とはトゲのあるカラタチのような樹木のことで、杞とは柳のこと、トゲのある柳に似た木、というのが命名の由来と古書にありますが、枸をケモノヘンにすると、走狗の狗で犬のことですから、形が犬に似た木という説もあり不詳です。中国語ではゴウチーと読み、日本語でクコ。「以前は根、苗(若葉)、実を区別することなく用いていた。しかし試してみると若葉と根と子はそれぞれ気味が異なるから、効用も別々だろう。」と同じ古医書にあるように、実のことを枸杞子、若葉のことを枸杞葉、根のことを地骨皮と称して使い分けています。
実は薬用酒でおなじみです。最近ではエスニック料理のご飯などに混ぜてあるからご存知でしょう。紅くてすこし甘い小さな実です。

「家を去ること千里、枸杞を食らうことなかれ。精気を補益し陰道を強盛するなり」とあります。さしずめ単身赴任の者は枸杞を食べてはいけない。精力がつきすぎて浮気するからだ、というところでしょう。
若葉は「天精草」ともいい、春に摘んで、おしたしに、ご飯に炊き込んだり、お茶として用います。クコ茶ですね。若返りに特に老眼によいといわれます。

根のことだけ枸杞根と言わず、地骨皮(じこっぴ)という変な名前がついています。乾燥した根が骨のように見えるから、干からびた犬のように見えるからなどと諸説あります。正岡子規に「裏路やおこん花咲く小笹垣」という俳句があるそうですが、生涯結核と闘った子規が、おこん花=枸杞の花を詠んだものです。地骨皮には「骨蒸」今でいう結核の末期のような状態の熱をとり体力をつける作用がありますから、地骨皮という名は「治骨蒸」からの連想ではないかな?

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