62.コリアンダー(芫欄・香菜・胡欄子)—透疹作用有り—

香菜として知られる

ヴェトナム料理やタイ料理など、エスニック料理の流行で日本でもすっかりお馴染みになた「香菜」のこと。苦手の人と好きな人とかなりはっきり分かれるスパイスです。

香り高いセリ科にはたくさんの種類の漢方薬がありますが、この芫欄は一種特有の香りです。スパイス売り場ではコリアンダーとして売ってますが、コリアンダーはギリシャ語のカメムシ(コリス)に由来する命名で、若い果実がカメムシのように臭いところからきています。芫欄(香菜)の原産は地中海沿岸。旧約聖書に登場し人類とは長く深い付き合いの薬草です。中世には千一夜物語に媚薬としても登場。中国へは西域から伝わったから「胡」をつけて胡欄と呼ばれます。日本にも10世紀の「延喜式」には宮中料理の魚の刺身には不可欠の薬味と記されていますが、香りがきつすぎる為か日本食には適さない為か一般には普及しませんでした。

エスニック料理では南米料理も含めて、セロリに似た葉と茎を肉料理に添えたり煮込んだり、中華料理でも雲南料理など南方に下がっていくと香菜の香りがしてきます。スパイスとしてはその果実(種子)のコリアンダー、ポルトガル語から日本ではコエンドロとも。粒のままではピクルスのミックススパイスの主役。粉末にすると、カレー粉やクッキー、ソーセージなど、搾った精油はチョコレートやアルコール飲料などの香りづけに。

アロマテラピーでは、この精油を一滴服用したり、浴材にして香りを吸ったりして、心身の緊張をとり、生理痛を和らげ、胃腸の働きを活発にします。漢方では全草を煮出し、その湯気で皮膚病の手足を蒸気浴。さらにタオルに熱い煎液を含ませて、皮膚に当てます。体内にくすぶっていた毒を皮膚の表面出してしまう(漢方用語では透疹作用)というものです。

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医食同源ア・ラ・カルト項目一覧
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