医食同源アラカルト

わさび
-日本特有のスパイス-

●日本伝統のワビとサビ?
 芥子(からし)と同じくアブラナ科、大根などの仲間です。辛味成分もシニグ
リンで共通です。辛い大根おろしも同じです。
 わさびは、どうも日本特有のものらしく、スパイシーな薬の多くが漢方薬と言
われるように大陸から伝わったものが多いなかで、ユニークなものです。御存知
のように山奥の清流に自生しますが、江戸時代元禄の頃には日本各地で栽培され
ました。清冷な水が必要です。
 漢字では、葉がアオイに似ているから山葵と書いてワサビと読ませます。葉や
茎も美味しく食べられます。
 何故ワサビと呼ばれたのか由来はよくわかりませんが、最近では、作家小林信
彦氏の、「日本伝統のワビとサビの味がするからそれをくっつけててワサビと
言ったのだ」という珍説があります。もちろん、ワビやサビなどの言葉のできる
以前から「和佐比」と表記されていましたからこれはジョークです。
 ワサビは「おろし方」に秘訣があることはグルメ
の皆さんは御存知でしょうが、それは、先程もふれ
た主成分シニグリンが加水分解で辛味成分アリルカ
ラシ油になるときの酵素の働きが、おろし方に左右
されるからです。葉つきの方から静かにまわしなが
らおろすのです、ゆっくり静かに。それから食べるときワサビをしょう油にとい
てしまうとすぐ辛味が消えてしまうので、刺身にワサビを乗せた状態で食べるの
がグルメといわれます。(うるさいこっちゃ!)
●芳香健胃剤としての効果も
 薬効はもちろん、芳香健胃剤として胃腸の働きを高めます。刺身の殺菌効果も
あるし、漢方的に言えば身体を暖めて発汗させる辛温解表薬であります。
 芥子と同様すりおろしたワサビを湿布として痛みに使っていましたし、煎じぐ
すりとして、江戸時代には、「をこりにはくすりまじない多ケレドワサビ煎じ飲
むが妙なり」といわれました。をこりとはマラリア(虐)のような身体ふるえる
熱病のことです。
 粉ワサビはいわゆる西洋ワサビで大根と同じように畑で栽培しますが、これも
冷と湿が大切で温暖な水はけのよい畑ではとれません。大根と違って種子ではな
く根(種イモ)で増やします。里イモやジャガイモと違って種イモは増えたあと
でも残ります。これは賞がに似ています。これを粉末にして緑色の色素を加えた
ものが粉ワサビです。もちろん本物の芳香にはかないませんが、ワサビ漬けなど
多くのものに利用されます。



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